第三話
異世界転生した女性が、家族から放置された赤ちゃんに憑依した。魔法を駆使しながら成長します。見ておくがいい、逆襲してやるぅと思っていたのだが、きっとほのぼのと成長していくと思います。
R15は念のためです。
お腹が空いて目が覚めると、見た事がない天井だった。ここはどこ?私は誰?とはならなかった。
見た目は、3歳だけど中身は日本人の成人女性ですからね。覚えていますよ。
確かジェームズさんに連れてこられたお城のお部屋のはずです。
連れ去られていなければですけれどもね。
私がモゾモゾと起き上がると、どこからかメイド服を来た女性が側に来た。
目が覚められましたか?果実水が飲めますか?と聞いてくれた。私はコックンと頷く。
メイド服の女性は、他のメイド服の女性に、お嬢様がお目覚めだと奥様にお伝えして頂戴といいながら、両手で持つタイプのコップに果実水を注いでいる。
この人、出来るわね。3歳児相手に確認することを忘れなかったし、持ち手が二つ付いたコップを選ぶセンスの良さ。賞賛いたします、拍手。
ゴクゴクと果実水を飲み干す。苺の味がしてさっぱりしていて少し甘くて美味しい。こんなのあったんだ、この世界で初めて飲みました。マジ美味しい。
もう少し飲みますか?と聞いてくれたので、頷く。
コップに半分くらい注いでくれる。3歳児にコップ半分の配慮ができるとか、あなたその道の達人ですね。
目が覚めたのね、お腹が空いたんじゃない?とドアから入ってきたのは、アマルと呼ばれていた綺麗なご婦人だ。
私は頷く。朝から何も食べていない。さっき果実水を飲んだだけだ。今が何時なのか分からないけど、お昼は随分と過ぎていることだろう。
もう直ぐお夕食なのよ。食堂に行きましょうか?歩けるかしら?とアマルさんが聞いてきた。
私がベッドから降りようとすると、サッと手が差し伸べられた。達人の手だ。素早い。
抱えられるようにして、絨毯の上に下ろされた。
振り返って見たベッドは、大人用だった。高い。転がり落ちるところだったのね。
達人よ、どうもありがとうと心の中で手を合わせた。
歩いてアマルさんのところに行く。
可愛いわぁとアマルさんが私に言う。
そうでございますね、お可愛らしゅうございますと達人が合いの手をいれた。
そうでしょう、私も思っていました。今世の私、マジ可愛くねっ!!
時代とか環境とか流行とかで美醜の価値観が異なるので、この時代でこの見た目はどうなのかな?と思っていました。なんせ、生まれて直ぐ『のっぺりとした顔のシワクチャの赤い子供』と言われましたからね。(根に持ってます)
その後も、配膳ロボット達は配膳するだけで、見向きもしませんでしたからね。
鏡を見て自画自賛していたんですよ。クリクリのぱっちりお目めに高い鼻梁にすっきりした鼻先、ふっくらとした口元、可愛いいの塊なんです。この世界でも可愛いんだぁ~ニマニマしてしまう。
食堂までアマルさんに手を繋がれて歩く。結構な距離を歩くんですね。私、森を歩いていましたからね、かなりの脚力ですよ。歩けます。こんな3歳います? フフン♪
メイド服の達人が言いました。お嬢様はかなりしっかりしておられますね。
そうでしょ、そうでしょ、私ってば、かなりしっかり者です。鍛えていますからね。
私は、メイド服の達人の方を見てニッパーと笑っておいた。
食事はなんと大人と同じものがでてきました。お初です。
量は少なくしてありますが、一品一品提供されます。前世の記憶で何となくテーブルマナーなるものができるので外側からのナイフとフォークと心の中で確認しながら食べていきます。できる子なのよ、私。
間違ったとしても、まだ3歳。許されますよねぇ。
今までの食事は何だったのか?と思うほど、美味しいぃ~~~♪
まぁねぇ、離乳食に毛が生えたような食事でしたから。そして口に入れられてモグモグごっくんでしたから。美味しいとか思うより、お腹が満たされるか?という食事時間でしたねぇ。
そうだ、あの部屋に魔石を置いている。取りに行かねば。
あの部屋までどのくらいの距離があるんだろう。なんせ、部屋と森しか移動したことがないからテレポーテーションできる距離とか回数とか魔力量の減りとかが分からないんだよね。
そういえば、魔法で異空間なる収納Boxってできるんじゃなかった?後からやってみょう。簡単じゃないはずだ。そんなのを読んだことがある。時には鞄型だったりするから。付与魔法とか使ったことないから分からないや。魔法の本があればなぁ。
そして、デザート。もしかして初めてかもぉ~ うほほーい!!
お菓子と言えば、チョット拝借したビスケットしか食べていないかも。
はぁ~、幸せよ。このゼリーの中の果物は何かしら?シャクシャクした食感と程よい酸味。リンゴに似ています。そして柑橘系も入っています。モチモチしているのはタピオカに似ています。ムースみたいなのはミルク味です。グラスに何層にもゼリーが重ねられていて、一層一層が異なる味です。一緒に食べても美味しいし、一層ずつ食べても美味しい。
いかんいかん、顔がゆるゆるになっている。ジェームズさんやアマルさん、周りの給仕係が微笑んでいます。微笑みながら凝視しています。夢中で食べていました。恥ずかしい。
夕食が終わると部屋を移動します。
ジェームズさんからお話があるそうです。素敵なソファーが置いてある部屋に行きました。シックなインテリアが配置されていて落ち着きます。
ジェームズさんが、夕食は美味しかったかね?と聞いてきたので頷きます。
私の戸籍は一応あったようです。名前はマリアというらしい。
もう私の籍はこの家に移したようだ。ジャックのところにはおいておけんからなとジェームズさんが怖い顔でアマルさんに話しかけている。アマルさんが、それがよろしいでしょうと返事をしていた。
私に話とは明日から家庭教師が来るということだった。
今日の夕食のマナーを見て、3歳であそこまで出来るなんて優秀だと言われた。そうなんです!できる子なんです、私。エッヘン。
なので、貴族令嬢の嗜みを勉強してみようと言われた。それは必要なことだよね。私ってば、貴族令嬢なんだね。まぁお城にいるくらいだから、そうかなぁ~って思ってはいました。
生きていくためには、勉強は大事。あと魔法の勉強もしたいなぁ。追々だね。
明日は午前中に家庭教師が来てくれるらしい。どんな人なのかなぁ。いい人だといいなぁ。
やる気がないとか、意地悪な人とかだといやだなぁ。
そんなことを考えていたが、なんせ3歳児はお腹がいっぱいになると眠くなる。
お腹の皮が突っ張ると目の皮が弛むんですよ。ソファーの座り心地も最高なのでね。
船を漕ぐ私を二人の優しい目が見守っている。
ジェームズさんがそっと抱き上げてくれる。夢の中の私は、自分の部屋のベッドで翌朝目覚めるのだった。
そして、目覚めた私は、こんっの野郎ーーー許すまじーーーと家庭教師に宣戦布告するようになるのだ!!




