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こんな世界で頑張れるもんか 〜今さら娘といわれてもねぇ、知らぬ存ぜぬでございます〜  作者: 与謝野竜胆


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第二十六話

 王宮で陛下への説明が終わり帰宅した。

やるだけはやったと思う。

あとは陛下の判断を待つだけだ。


 その間に私は何をしておけばよいかな?

通常だと魔法を駆使した訓練だよね。

魔物の臓器を取り出してみる?

成功する確率が上がるならやってみたいと思う。

 私は父上に魔物の臓器を取り出すという方法を試したいと提案した。

 今はどの領地も魔物の襲撃に苦しめられているなら討伐もできて一石二鳥じゃないかな?

 父上から、私が前に魔物を討伐した公爵家の領地は魔物の数が激減しているらしい やったね♬

良かったよ、頑張った甲斐があるってもんだ!


 父上が言うには、ウェリントン公爵領では魔物の出没件数が激減したため騎士団や討伐隊で対応ができているらしい。

 マリアがよければだか、他領で大量の魔物が出ていて対応が追いついていない領地に行ってはどうかと提案された。

それはいい考えだね!

 父上が、ただ陛下からの呼び出しのこともあるから、遠方には行かない方がよいだろう。

近い場所でとても緊迫している領地がある。

助けてくれるか?とお願いされたよ。

もちろんだよ、こちらからお願いしたいよ。


 他領なので環境や魔物の種類、数など情報が非常に少ない。

今回は父上とジョンさんと3人で行くことにしたよ。

 父上が領主から情報提供してもらった内容は悲惨なんてもんじゃなかった。トホホ

 この領地では毎日魔物の襲撃がある。だから領民は誰もが、ただ動けるからということだけで、負傷を抱えていても戦いに参加している。

 魔物討伐を行う者、それを支える者、皆が何かしらの役割を傷ついた身体を引きずりながら担っている。

 そんな状況で1ヶ月近く耐え凌いでいる状態で、もういつまで持ち堪えられるか分からない。

 助けを求めてもどこの領地も苦しい状況だと言われ、自分達で頑張るしかない。

だけどもう、十分頑張ってきた。これ以上どうすればいいか分からない。


 ヨシ!やるよ!やったるで!

 そんな状況なら、みんなしっかりと休んでもらおうよ。

 丁度いいじゃないか。

戦い方を見られたくない私に打ってつけの状況だね。よっしゃー!

 そしてここの地形は、なかなかに利用価値ありありです。

 魔物が出てくる森の前に平地が少しあり、次に小高い丘がある。平地が盆地のようになっていて、丘を登って下りるとまた平地と丘がある。森→平地→丘→平地→丘→平地とこんな感じだ。

 私は森を出て直ぐの所に網目状に鉄線を張ることにした。金網のイメージだね。電流鉄線を張るんだよ。

 そして、平地を沼にした。落とし穴を作るのは大掛かりな作業にかるし、そこそこ魔力も使うからね。

沼なら土をドロッドロッにしたらいいから、今度は底なし沼を作ってみました。


 もしもの話だけどさ、落とし穴だって底なし沼だって精霊さんがいたとしたら

 『ねぇ、土の精霊さん、落とし穴と底なし沼を作ってもらえますか?』ってお願いしたら作ってもらえるんじゃない?異世界ものでよくやっているよね。

 ははっ、いや、いーんですよ。私も魔法の訓練になるし、魔力量もかなりあるから。ただの、憧れです。ハイ


 この底なし沼を這い上がるものがいたならば、その先にはまた電流鉄線と底なし沼が待っています。

ふふふ、ここまでやるとは鬼畜の所業だね。

 情報量が少ないから油断できないんだよね。

多分だけど、第2の電流鉄線まで進めるものはいないんじゃないかなぁ。念の為ね。安心安全は大事です。

 鉄線の電流は高圧ですよ。感電死してもらいます。容赦しないよ。

 こちらも時間がないからね。

いつ王宮から呼ばれるか分からないからさ。


 おぉ、ドスンドスンやらタッタッタッやらザッザッやら足音がします。来ましたね。

 はーい、早速引っかかりましたね。

かなりの電圧ですからゴブリン程度は真っ黒に焼け焦げ状態です。

 おっおー、かなりの魔物が高圧電流で真っ黒焦げです。

しかーし、やはり猛者はいます。

ゴーレムとブラッディベア、トロールもフラフラになりながら前に進んでいます。

 次は底なし沼だよ〜ん♩

あらら、沼ってますね!

暴れれば暴れるほど沼ります。どんどん深みにハマります。思う壺です!


 やっぱり電流流したのは良かった。

ウルフ系やボア系の数が多くて連携を取って攻撃してくる魔物が電流鉄線で黒焦げになってくれた。

やっかいな連中が早々にやられてくれて有り難かったです。

 中には電流でピクピクしているゴーレムとブラッディベアが転がっています。


 よっしゃー、やりますよ。

何をするかって?

えへへ、スキャンして心臓を取り出します。

本来の目的は、医術の腕を上げることです。

 ピクピクのゴーレムの心臓辺りをスキャンします。

おぉ、ここですね。

1回目は容赦なく鷲掴みして取り出します。

できました!

なんか、スッーと出てきました、心臓が。

 次のゴーレムにいきます。

今度は少し繊細にいきます。

心臓周囲の太い血管を潰してみます。潰れましたね。イメージを正確に思い描けるって大事だわぁ。

そこから心臓を掬い上げるイメージで取り出します。

できた!!

 次のゴーレムには、心臓の一部分を取り出してみます。

この場合は切除するというより、焼き切る感じかなぁ、出血しないようにしたいからさ。

メスの先から微弱な電流が流れているイメージよ。

やったー、切り取れた!

 私は次々にピクついているゴーレムやらブラッディーベアやらの心臓を、それぞれに条件を変えながら取り出していきます。現場はカオス状態だよ。


 思いつくことは全てやったつもり。

かなりの数の心臓を取り出した。

電気メスもイメージ通りに使えるようになった。

最初は焦げたり、反対に焼き切れなかったりした。

回数こなすと上達するね。

 もっとグロい感じになるかと思ったけど、血液が出ていないからかな?

終わってみれば、そこに魔物が倒れているって感じ。

やっていることは《悪の所業じゃ》と言われるかもしれないけどさ。

 そして、私の医術に付き合ってくれた魔物のご遺体は、丁寧に沼に沈めて(鎮めて)差し上げました。南無阿弥陀仏


 そして、ジョンさんに魔物の取りこぼしがないか確認してもらってたんだけど、沼から這い上がれた猛者は数匹で、次の電流鉄線で息絶えたということだ。

 電流鉄線は魔法解除するけど、沼一つは残してはダメかな?

 次に魔物が来たら沼ってもらえば討伐も楽にならないかな?ダメですか?

 ハイハイ、元に戻しますね。

 私とジョンさんは整理整頓してから、父上が待っている宿泊施設に帰りました。

 父上も討伐に参加すると意気込んでいましたが、公爵家ご当主様ですから何かあってはいけないと、ジョンさんが「父上は待機して下さい」と部屋に押し込めたんだよ。


 相当数の魔物を沼らせたから、暫くの間は領地も静かになるだろうと父上とジョンさんが話しています。

 そしたら、帰りますか。

今回の討伐で、やれる事はやったと思います。

 最後らへんのゴーレムの心臓は、綺麗な小豆玉状にしてポイポイ取り出せました。やるねぇ〜

焼き切るっていうのがポイントなんだよぉ〜って、父上に教えてあげました。

 父上が、残念な子供を見るような目をして心配そうに私を見た。

あらイヤだわぁ〜、私はねぇ医術の腕が上がったっていう報告をしただけだから。

変な方向に目覚めてなんかいないから、ほんとなんだってばー

 

 無事に公爵家に帰りました。

あとは何を準備しとくかというとですね、

麻酔です!!

 父上の時は、本人に意識がなかったから出来たけど、陛下は意識がありますからね。

どうやって眠ってもらうかってことです。

 魔法で眠らせることができたらいいけど、私にはできないのです。残念

相手を眠らせるイメージができない。

 試しに父上に父上が眠っているイメージで魔法をかけたけど、瞼を閉じているだけで眠ってなかった。

普通に喋って動けた。チェッ

 寝ている、ってさぁ、人の感覚だからイメージしにくいんだよ。

 私にラリホーをお与え下さーい。て思うよ。

ラリホーってすごい魔法だよ。

呪文一つで、敵を眠らせることができるんだよ。

 しかし、どうすっかなぁ…

 眠らずに腫瘍切除するとか、そんな極悪非道なことはできないよ。

絶対、ぜーたい痛いに決まってる。

回復力も免疫力もダダ下がりだよ。


 そうだ、確か陛下が宮廷医に睡眠薬を処方してもらったと言ってた。

睡眠薬の処方内容がわかったら、それが使えないかな?

処方内容が知りたいですが、この世界ではお薬は「一子相伝」とかでしょうか?

 父上に聞いてみました。

睡眠薬は何種類かあるそうです。

何種類かあるというのが、調合する人によって微妙に匙加減が違うからだそうです。

 ただ、基本はあまり変わらないらしい。

薬草を数種類混ぜ合わせるようだ。

レシピをお願いしたら、直ぐに準備してくれた。

 この薬草が魔獣にも効果があるなら粉末にして撒き散らすとかしたら、襲ってくる数を減らすことができるんじゃない?

 えっ?撒き散らすことができない?何故に?

風魔法で、森に撒き散らすとかダメなの?

コントロールが難しいのかぁ。なるほどね。


 そして、レシピ通りに睡眠薬の調合ができました。

難しいのかと思ったら、お料理する人なら出来そうよ。

材料、分量、作り方、コツ、ポイント、みたいに書いてあるから忠実に守れば出来上がります。

 もっとこう、ここで魔法を謎の液体に向かってかけるとか想像してたけど違ったね。

 たくさんの種類の草の根とか茎とか花とか、あと乾燥するとか液体にするとか、重さを厳密に測るとか、素早く混ぜ合わせるとか、とにかくその過程が大変だけど忠実に守ればできる。

 小洒落たスイーツが作れるなら睡眠薬も作れる。って感じでした。

調合よりレシピをつくるのが大変なんだろうね。

 

 あとは、効果を試したいなぁ。と父上をみた。

首を左右に振られた。えー、私を信じて(テヘッ) ダメかぁ

 仕方ない、今日も魔獣に協力してもらうか。

大きさは、陛下と同じくらいがいいよね。

ワーウルフかゴブリンかなぁ


 今日は違う領地で昨日と同じことを繰り返す。

たた、ゴブリンを3体生捕にした。

大きさが陛下と同じくらいのゴブリンを選択した。

 睡眠薬を飲ませたら

えっ?マジ?直ぐに寝たよ。

こんなに効果ある?魔獣だから?

すっごい寝てる。何をしても起きない。

恐ろしい程に効果がある睡眠薬なんだね。

あとは、起きるのを待つのみ。


 父上に魔獣討伐は、今回が最後だと思うと話した。

私がやり過ぎると、その情報が何処かから漏れる。

そしたら、公爵家が頑張って討伐すればいいになる。

やってもらってありがとうは、通常一回だけだよ。

次からは当たり前にやってねになるから。

 だから、今回が最後だよ。

そんな話をしながらゴブリンが起きるのを待った。

翌朝の日が昇るころ3体のゴブリンが目を覚ました。

3体は異変なく暴れだしましたʅ(◞‿◟)ʃやれやれ

 3体は沼に放り込みました。成仏しなされ


 そして、麻酔薬ならぬ睡眠薬も完成しました。

こっそり父上に飲ませたことは内緒なのです。

ごめんよ。確実が欲しかったんだよぉー

評価やブクマ登録していただいて

ありがとうございます♪♪♪

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― 新着の感想 ―
心臓があるのなら、それはゴーレムではないので、名称を変えた方が良いと思います。 読んでいると疑問符しか浮かばないので。 もしかして、フランケンシュタイン的な魔物と混同されたのかな?
睡眠薬で眠るのを確認後また寝かせて内蔵えぐっても起きないかの確認も要ると思うが(* ᐕ)?
既に書かれているが、ゴーレムの心臓とは?となったが ゴーレムの核と読み替えていた。 魔物目線だとゴーレムの胴(=岩)を抉ってモツ(=核)を掴み出す幼女。 怖スギ
感想一覧
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