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こんな世界で頑張れるもんか 〜今さら娘といわれてもねぇ、知らぬ存ぜぬでございます〜  作者: 与謝野竜胆


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第二十四話

 本日の交流会は王宮内の小広間で行われます。

この部屋が選ばれたのは、警備の関係もあるんだろうね。

 隣国から要人方をお迎えしているから何かあっては大変です。用心に越したことはないです。

 席は予め決められているみたい。案内されました。

男子と女子のテーブルは別々にしているんですね。

家格によって席順が決められているようですよ。

何故なら、女子陣の顔ぶれが前回のお茶会と似通っていますからね。

 公爵家と侯爵家と一部の伯爵家と聞いていたけど、そこそこの人数がいます。

 最年少は私達四歳組で、上は十六歳くらいかな?成人が十八歳だから十七歳かな?見るからにしっかりした大人な感じの人達もいます。

 

 あっ、エルサとルーナが並んで座っています。

今日も可愛いですね。癒されます。

私はルーナの隣に案内されました。

良かったよ。離れて座ることになったら悲しかったよ。

 2人も同じ気持ちなのか、ニコニコして迎えてくれました。

「会えて嬉しい」と2人に声をかけます。ちょっとだけお喋りしたいけど、ダメかなぁ。

エルサもルーナも話がしたそうにしています。

 あっ、進行役の人が来ましたね。説明が始まりそうです。全員が席についた様ですね。

今から王族の方々の入場が始まるんだね。

そして、陛下の挨拶がある。

(ヨシ!この時に身体を診させてもらっちゃお!)

 陛下の挨拶が済んだら、その後は、席は自由に移動してもよくて、各々で交流を持ってもらうという流れなんだね。


 入場の合図がありました。

陛下を先頭に3人の王子、その後に隣国の王太子と男子2人と女子1人が入場してきましたよ。

 私は、陛下を観察しますよ。

う〜ん、やっぱり違和感あるんだよなぁ

 顔色が悪い気がする。若干だけど動きにキレがない?怠いのかな?

 私は『今しかない』と陛下の体幹をスキャンニングし、愕然とした。

 顔色から判断して腹部に何かしらの問題があるのではないかと考えていた。

だから腹部を中心にスキャンニングしていくことにしたのだ。

 そして、スキャンを開始してから直ぐのこと、そこで見えたのは肝臓の三分の一くらいに肥大した腫瘍だった。マジか、マジか、マジか、うっ

 だから顔色も悪く感じるし、動作に俊敏性がなかったのか。

 顔色が悪いのは貧血ではなくて黄疸がでている?

これは急いだ方がいい。

そう、分かってる、だけどどうする?簡単に声をかけれる人ではないよ。

 父上も母上も別室にいる。呼びに行く間に陛下は退室してしまうから直ぐには会えなくなってしまう。

どうしよう。どうしよう。焦るな私、落ち着いて考えるんだ。


 陛下の挨拶が終わった。

この後は、子供達だけが残り陛下と隣国の王太子は退室するようだ。

 先に陛下が退室する。隣国の王太子は、子供達の様子を暫く見て行くそうだ。

 私はそっと席を立ち、陛下の後を追って部屋を出た。

 足に身体強化魔法をかけて急ぐ。

 「陛下、お待ちくださいませ。」後ろから声をかけるようになるが構うものか、とにかく今は話を聞いてもらうことが重要だ。

 「私はウェリントン公爵家令嬢マリアでございます。陛下には暫しお時間を頂きたく存じます。」

 陛下がゆっくりとした動作で振り返り、そして周囲にいる者に何もするなと手で制した。

 陛下が私を見ながら「マリアではないか、息災か?私に何か用事があるのか?」と聞いてくれた。

私は「陛下、直ぐに終わることでございます。が、お許しいただけるなら耳元で話させていただけませんでしょうか。」と陛下に話しかけた。

断られるだろうか?周囲がピリついている。

 陛下は私のところまでゆっくり歩いてきて、私の前に屈んで目線を合わせてくれた。

 あー、やっぱりだ。近くで見ると黄疸がでている。

私は陛下に耳打ちした。

「陛下、体調がお悪いですよね。そしてそれは緊急を要することでございます。お時間をいただけるなら説明をさせていただきたく存じます。」そう言って頭を下げて暫くの間返事を待った。陛下の顔が見れなかった。

 陛下は私の耳元で「わかった、後ほど連絡する。」そう言って去っていった。

 はぁ、何とか話を聞いてもらえそうだ。良かった。それから私は再び交流会の席に戻った。


 交流会ではいつもの4人で集まりました。楽しい時間が過ごせたよ。

 隣国の王太子の子供達は、長男十歳、次男七歳、長女五歳。

今は其々が各々の席で交流をしているようだ。

 私はこれからの事を考えると気持ちが落ち着かなかった。

私の普段と違う様子から3人が心配してくれる。

なんて、いい子達なんだろう。

 私達が4人で楽しくお喋りしていると、隣国の王女様が仲間に入れて欲しいと来られました。

お名前をクレア様とおっしゃいます。

 はぁー、王族はどこの国でも美形なのか?この世界は美形じゃないと生きていけないのか?

アッチャー、またつまらぬことを考えてしまったよ。

 クレア様も努力家のいい子だったよ。

まだ、この国の言葉に不慣れなんだろうけど、一所懸命に会話をしようと努力している。

そして、そんなクレア様をルイス様が必死にフォローしようとしている。

 うふふ、2人の健気な姿が愛おしいよ。

ルイス様、私はあなたの為にも頑張りまっせ!と決意を新たにした。

 そして、恙無く交流会が終了しました。


 公爵家に帰ってから父上と母上に陛下の身体のことを話しました。お二人には協力して頂くことが多くなると思う。

 翌日に陛下から呼び出しがあった。

この時間なら話ができると言うことで、父上と2人で急遽王宮に向かいました。

 王宮に到着すると秘書官が待機しており、陛下の執務室横の書斎に案内された。

 この部屋であればセキュリティが保たれているらしい。

念のため結界を張らせてもらうことにした。

どこから情報が漏れるかわからないからね。

 陛下には私が魔法を使うことを許可してもらった。

私も手探りだけど、やれることは全部やろうと思う。

評価やブクマ登録していただいて、

ありがとうございます(^^)

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