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こんな世界で頑張れるもんか 〜今さら娘といわれてもねぇ、知らぬ存ぜぬでございます〜  作者: 与謝野竜胆


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第二十一話

 お茶会の翌日に3人からお手紙が来ましたよ。

内容は、お茶会楽しかったね。お友達になれて嬉しい。マリアの魔法が凄かったです。今度は我が家にも遊びに来てねといった感じです。

私も同じ様な内容で3人に手紙を書きました。

お茶会が終わる時にお手紙を書こうねって約束したからね。

 そして届いた手紙を見て驚きですよ。

四歳児なのにみなさん達筆です。

そして書き方。拝啓から始まりまして、時候の挨拶、相手を気遣う言葉、本文、結びの挨拶、結語、みなさん完璧でございますの。ビックリでございます。

 確かにお手紙を出す前に、誰かしらに確認をしてもらいます。四歳児が勝手に手紙を送ったりできないからですね。そ・れ・に、家の中の有る事無い事書かれても困るでしょう。うふふ

 にしてもですよ、この完璧な出来上がりは、社会人ですか?って思うほどの仕上がりでございます。

 私も母上からお手紙を書く時のマナーを習っております。ですので、習ったことはその様に忠実に書きました。

 良かったよ。私ったら、危うく、元気?私も元気。お茶会楽しかったね。今度は我が家にも遊びにきてね。って書くところだったよ。

 これだって通常の四歳児にしては、偉いねぇ、よく書けてますねぇってレベルじゃないでしょーか?


 そしてお茶会から2日後に、何故でしょうか?公爵家に王宮から呼び出しの手紙が届きました。

 夕食の後に父上と母上から、マリアよ、今度はお茶会で騒動を起こしたのか?と言われた。

 えー、心外です。私、何もしてませんよ。2人とも見ていましたよねぇ。よく出来たねって褒めてくれましたよねぇ。ぶうーぶうー

 父上が、そうなんだが、だったら何で陛下から呼び出しの手紙が届くんだ?と詰め寄ってきます。

 私は父上を押し返しながら、知らんがな!私に陛下のことが分かるわけないわ!と心の中で叫び

あっ、第三王子と友達になったからじゃない?

えー、そんなことで呼び出されない?

じゃあ、私、わかんなーいと答える。

 はぁーと3人でため息を吐き、頭を抱えたのが2日前てす。

 そして今、私達3人は王宮のし・か・も王族のプライベートエリアにある応接室に案内されております。(どして?)


 応接室のドアの前には侍従が待機しています。

私達を確認してノックをしました。中からの入室許可の返事がありドアが開かれます。

 父上、母上、私の順番で入室です。

父上から順番に挨拶をして、私も挨拶をしてカーテシーをする。母上に鍛えられているから完璧です。

 陛下から、今日は個人的な場であるから楽に過ごしてくれと言われ、ソファー座るように促された。

 父上、私、母上と着席した。(私が真ん中だよん)

 ここでは、楽に過ごせと言われても正直に寛いだりしてはいけないんだよ。ええはい、分かっております。おすまししときます。スンッ

 あららぁ、私の目の前に可愛い王子様がいらっしゃいます。ルイス様ですね。

 はっはぁーんなるほどねぇ、今回の呼び出しはルイス様、あんたの仕業かーい。私は心の中で叫ぶよ。

 父上の前に陛下、私の前に第三王子、母上の前に王妃が着席している。

 揃いも揃って皆が美形で驚くよ。平凡な顔なんてひっとりもいないからね。

 どこがどうなったらこんなに綺麗どころが揃えられるんだろうか?

王族とそれに連なる者には、美形に生まれる加護でもあるんだろうか?

そんなアホみたいなことを考えてしまうくらい美丈夫が揃い踏みデス。

 

 陛下が、「この場で緊張しないとは、なかなか肝が据わっているな」と私を見て父上に話しかけます。

父上、苦笑い。

 「実は急遽呼び出したのは、ルイスからウェリントン公爵家の娘が凄い魔法を使えると聞いて、どれほどの腕前なのかと思ったのだ。」と陛下が本日の目的を説明した。

 えー、私なの?どうして?

私、氷を出しただけですけどー

それが凄い魔法になるんですかー?

氷をカップに浮かべたら、凄い魔法ですか?

四歳児がやったからですかぁ?

異世界だと、よくあることではないですかー(心の叫び)


 ゴホン、父上が咳払いをします。

「私の娘のマリアのことでしょうか?」

「そうだ、先日のお茶会でルイスと友達になったそうだ。その時にルイス達に魔法を見せてくれたそうだ。」陛下が答える。

 父上と母上が、バッと音がする勢いで私を見る。


 えっ?えっ?ルイス様さぁ、私、許可とったよね?あなた、魔法を使っていいって言ったよね?

私は黙って、ジト目でルイス様を見た。

 ルイス様が「そうだよー、マリアはね、3人の紅茶に氷を作って浮かべてくれたんだよ。冷たくて美味しかった。ねっ。」と私を見てニコニコしながら話す。

 ルイスよ、可愛いからと言って何事も許されると思ってはいけない、事と次第によっては絶交になちゃうからね。私、無事に公爵家に帰れますかね。トホホだよ。 そんな気持ちになってしまうくらいに父上と母上から無言の圧っていうのを感じた。


 父上が、「マリアは魔法が得意ですから、ついつい私達も訓練に熱が入りすぎてしまって、やりすぎの感は拭えません。」と答える。

 陛下は「四歳児にしては繊細な魔法コントロールを身につけておるのだな。」と言って、訝しんでいるのに笑顔でこちらを見ている。(怖いよぉ泣きそう)

 前世を含めても、こんな表情ができる人を見たことないです。(これが国王の威圧ってやつ?四歳児に向けるかね、コワイー)

 私は唯一の癒しのルイス様を見る。(和むわー)

ルイス様ごめんね、絶交するかもとか言って。絶対仲良くしようね。何があってもだよ。分かっているね。ニコニコ

 王妃様が「ハンカチで作ったうさぎをありがとう。ルイスがとても喜んでいて、ずっと持っているのよ」と鈴を転がすような声で、穏やかに話された。

 私は今何を考えた?鈴を転がすような声ってなんだ?聞いたこともないのに何で思った?もう、自分が何を考えているか分からなくなってきた。パニックだぜ 深呼吸、深呼吸、落ち着け、気合いで乗り越えろ

 ルイス様が「マリアが作ってくれたうさぎ、持っていると安心するんだよ。」そう言ってニッコニコ笑顔で私を見ています。

 ルイスよ、なんていい子なんだよぉ。ルイスは天使なの?おばちゃんは、ルイスを大事にするよ(涙)あっ、またおばちゃん目線になっていた。

 

 ふぅ、もういい!

私の中身は所詮ど庶民なんじゃー、腹の探り合いとかやってられるか!私は私!すごい魔法が出来ると言われる前世持ちの四歳じゃーーー(心の叫び)

 私は陛下に視線を向けて「あのー、何故ここに呼ばれたのか、よく分からないのですが。私は、ここに出されているお茶に氷を浮かべたらよろしいのですか?氷を出す魔法を見たら陛下は満足されますか?無理して笑顔まで作っておられるようですが、私の魔法を見たら何か納得されるのでしょうか?目的はなんなのでしょうか?私はどうすればよろしいのですか?」もう、真っ向勝負よ!


 ルイス様が驚いた様に陛下を見て「父上、マリアに何をしたのですか?」と陛下に詰め寄っている。

 陛下は、それは愛おしそうにルイス様を見ながら

「ルイスは、ウェリントン公爵家の娘を大層気に入っているのだな。」と言った。

 ルイス様が大きな声で「ハイ、大好きなお友達です。」と答えた。

 あぁ〜ルイスよ、何て純粋で可愛いんだよぉー、そんなに思ってくれておばちゃんは嬉しいよ。

だけど、今の陛下への答えは正解なのかい?

おばちゃんは窮地に立たされるのではないかい?

ヤバい、またおばちゃんモードになってしまった。


 陛下が父上に、「ウェリントン、すまなかったな。令嬢を見定めたかったのだ。第三王子ではあるがルイスは王族故に良からぬ野心を持って近づいてくる者も多いのだ。令嬢は、礼儀正しく嘘のつけぬ者のようだな。度胸もある。良いご令嬢だな。」そう言って本当の笑顔を見せた。

 陛下が「マリア、今後もルイスと仲良くしてくれぬか。先程は怖い思いをさせてしまったか?すまなかったな。」とわたしにも謝罪してくれた。

 はぁ〜なんなんだよぉ、陛下たっらさぁ、只の親心で呼び出したのかぁ。こっちは寿命が縮る思いだったよ。(心の中で脱力)

 父上が横から突いてきた。あっ、ごめん。気を許しすぎた?また、顔に出てた?ほんとごめん、引き締めるよ。 

 それからの時間は、両親監視の下いくつかの魔法を披露して、和やかに面接という名の拝謁が終了した。

無事に終わってほっとしたね。

 王妃様とルイス様から、また王宮に遊びにきてねと言われたけど、もう当分の間はご遠慮したい気持ちだよ。

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