221.Mission No.022 魔界探訪(5)
俺はリリスを軍に送り届け、人間界に戻った。
博物館の館長に例のインド北部で発見されたストゥーパの件で聞きたいとアポを取っていたのだ
「館長、インドの北部で見つかったストゥーパの件ですが、
前回具体的な事を聞き忘れていて、教えていただきたいのですが」
「インド北部からネパール、そしてC国に繋がる地です。デヘラードゥーン 遺跡です」
「ありがとう、あれから何か新しい発見はありました?」
具体的な場所を示した地図を貰った
「ええ、そのストゥーパといっしょに発見されたという出土品がありました。
入手したたのはC国だったので最初はわからなかったのですが、その後の分析で判明しました」
そうか出土場所じゃなくて種類で分けているから別の倉庫にあったんだ
それは金製の装飾品だった・・これには封印されているものは無いようだ
インド側の歴史など情報にはそれらしい物は無かったので封印されていた者はC国に向かった可能性がある。
よし、C国は属国だ、調べさせよう
・・・
『ミュー様、またリリス様がいらっしゃいました、お帰り下さい』
えっ、またぁ
C国大使館に封印物の調査依頼をして、俺は魔界の屋敷に向かった。
忙しいな・・・
「ミュー様、あれから大変だったんですよ、本当にもうー」
「敵の場所が分かったらすぐでしょ」
「内通者が居てね・・」
しらん
「・・待ち伏せを受けたの」
返り討ちにすりゃいいのに
「勝ったんでしょ」
「ええ」
「じゃあ問題ないだろ」
「戦死者が出たわ」
「その内通者に文句言えよ」
「私がその疑いをかけられ・・」
「でも今大丈夫だよな」
「そう、今はね、真犯人を捕まえないと、私が断罪される」
「捕まえれば?」
「どうやって」
「この世界には探偵は居ないのか?」
「探偵って?」
知らないようだ
事細かに説明してやる、なんせ俺 “ちょいと探偵社” 出身だからね
「じゃあ、ミュウが調べて」
しまった詳しいやつに頼むか・・・仕方がない
「じゃあまず、俺は犯人ではない」
「なんでそう言えるの?」
「内通するメリットが無いからだ、むしろデメリットが大きい」
「それで?」
「内通者になる理由は?
まず、“内通しないと困る場合”は、
例えば、人質を取られて脅されている場合、内通に協力しないと罪を暴かれてしまう場合、などだ
次に、“内通したい場合”は、
例えば、皇帝に恨みがある場合、現体制を快く思っていない場合、敵に好意がある場合、などだ
そして“それ以外の場合”は、
例えば、自分が内通したことに気づかない場合、盗聴器などがセットしてある場合、などだ
これに当てはまる物は無いか?」
「そんなのわかるわけ無いじゃない」
「じゃあ、なんで疑われた?」
「私が一番早く情報を得てたから?」
「それは情報と事実の時間関係がはっきりした場合のみ有効だ。
俺達が敵基地を発見した時まで敵は気づいていなかった様だ。
だからそれ以降に情報が漏れた。
もし宮殿などに盗聴器が仕掛けられていた場合、もっと早く襲撃の情報が伝わっていて
もっと慌ただしかったはずだ。
そうすると、俺が去ってリリスが宮殿に報告に向かう途中で何かあったと考えられる。
おそらく誰かに会って、何かを受け取っていないか?
例えば、そのネックレス、以前はしていなかった
そしてそのネックレスには魔力変動が見られる・・・心当たりは?」
「これは、付き合っている人に・・・」
「心配しなくて良い、今、この部屋は結界で覆われていて、魔力での傍受は不可能だ」
「心配よ、誰かに脅されてやったとしたら・・・」




