Ⅲ.そうさく
童話のヒロイン大集合!!!
王子は必死でした。
あの、素敵な出会いは夢だったのではないか?
「いや、でも僕には貴女が確かに居たという証がある」
――そう……
手の中にある冷たいガラスだけが、今は王子の味方でした。
王子が、一人の美しい娘を捜しているという噂は、あっという間に全国に広がりました。
ここぞとばかりに、ガラスの靴が自分のモノであるという娘達が押し寄せます。
「え?私?有り得ないわ、ガラスの靴なんて……」
「いや!レディ……いや、赤頭巾レディ。君の筈なんだ!」
「絶対有り得ないわよ。私、いつでも天変地異が起こっても良いように、こうして防災頭巾を被って歩いてるのに……ガラスの靴ですって?そんな脆くて走りにくい非合理的なもの、履くわけないじゃない」
「じゃあ君だね!」
「ちょっと起こさないでよ!私寝るの大好きなのに!安眠妨害で訴えるわよ!?」
「なら……君で間違いない!」
「……え?おや……若い殿方だねえ……背中叩いてくれてありがとうね」
「いえ……礼には及びませんよ、オールド レディ」
「いやぁ、齢80にもなると気をつけないとねえ……判っちゃいても蒟蒻●リーのリンゴ味が美味しくてねぇ」
「喉に詰まっていたゼリーが取れて何よりでしたよ……ところで一つ伺いたいのですが……このガラスの靴は貴女のモノでは……」
「え?カラスの何だって?」
「…………いえ、何でも。それではご機嫌よう、オールド レディ」
「ああ……何て素敵な殿方だろうね……私が後10年若ければっ」
10年若かったところで70歳なので、態勢に何の影響も及ぼさないと思うわけで。
……
………
…………
それはまた別の話です。
とにかく、王子は一縷の望みを捨てずに全国を捜して歩きました。
そしてついに……
「大臣!ホシが割れました!」
「何だと衛兵!真かっ!?」
「はい!」
――運命の日が……
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