特別な役目
「・・・この世界に刺激を与えるため、ディークやキラなんて、争い好きな種族も入れられた。ところが、ディーク種族と違ってキラ種族は、自分の種族以外しか狙わない。 これは、明らかにこの世界の『支配』を前提とした本能だ。 ―― キラ種族がこの世界を支配?冗談じゃない話だ。 ジャックならわかるだろう?こいつらになんて支配されたら、この世界に『発展』はないんだ。 混沌期を終えて、次の時期をむかえるのには、キラ種族はいらないと判断された。 そこで『彼ら』は、早々に、おれたち《クアット》を、この世界に誕生させた」
「ずいぶんと誇らしげじゃねえか」
「おれたち《クアット》は、常に《空の目》と対話してきた唯一の種族だ。 数だってぎりぎりしかいないし、繁殖の数も決められてきた。 この世界の本当の姿を知り、この世界を任された、ほかの種族とは違う、《特別》な種族なんだ。 自分たちの役割を、みんなが自覚し、誇りとしていた。―― 役目のために、他の種族とは極力かかわらず、《空の目》からの指示を待ち、それをゆっくりと確実にこなしてきたんだ」
「いいようにつかわれてきたってことだ」
「だまれっ!自分のことしか考えられないキラ種族になぞ、おれたちの生き方はわかるわけはない!」
興奮した声に重ね、さらさらと砂の落ちる音。




