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杭壁の中
ホーリーにより、杭の壁の一部が破壊されると、いっきに杭が倒れてゆく。
開いたその中には、数軒の小さな家がたち、枯れかかった作物を実らせる、大きな畑があった。
「ずいぶんたくさんの種類を育てているねえ」
「キラ種族には毒になるもんばっかだ」
畑を横目に、その近くの一番大きな家をめざす。
ドア前につけば、ホーリーがいきなりその板をけ破り、ずかずかとはいりこむ。
奥に進むほどもなく、小さな家のまんなかにテーブルと椅子があり、なにかを勢いよく燃やす暖炉にむかうよう、 ―― 背を丸めた男が、床にいるのが見えた。
無言のままその背中を踏みつけようとしたホーリーがどかされ、ジャックが男のそばにかがみこむ。
「あんたが、オナー? 誰にも会わなかったけど、他のクアットは?」
死んでいるのかと思った男の目が、うっすらと開く。
血の気のない顔の筋肉が動かせないように、苦しげに口をひらいた。
「みな、・・・やく、めは、・・・おえた・・・」
「なに?なんの『役目』ですか?」
「こいつ、ハウアーを連れてきた男だ」




