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『 ごめんなさい 』
片端には真っ赤な顔でうつむき、もじもじとする使用人。
片端には、冷たい表情で答えを待つ、今の主人。
ようやく赤い顔があがり、息を整える音が聞こえた。
「 ―― き、キラ種族に、・・・噛みついたんです。 でも、もうよく覚えてないんです・・・ごめんなさい、 ・・・・・ホーリーさまの、お友達でしたか? 」
ジャックは口元をおさえこみ、ハウアーを観察する。
――― そんなわけはない。だって、それは『昔話』だと・・・
とがりぎみの鼻をあげた男は珍しく静かな声をだす。
「おれの友達じゃねえし、謝られてもしかたねえ。 ―― ハウアー。 オナーの家に案内しろ」
ハウアーは本当に困ったように眉をよせた。まるで、泣き出しそうな顔。
「わ、・・わかんないんです」
「いまの主人はこのおれだ。違うか?」
「ほ、ホーリーさまです!」
「 ―― どうやらオナーは、ずいぶんとおれのことを思って野菜を作ってくれたらしい。 それに、仲が良かったジャックも、こうして生き返った。 それなら、『二人そろって』オナーに会いに行ったら、さぞ、喜ぶんじゃないのか?」
「あ。そっか。 はい!喜ぶと思います!」
「よし。じゃあ、すぐに、案内しろ」
「はい!」




