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びびるな
遅くなった食事をハウアーがわび、ジャックも食卓につく。
馬鹿みたいに細長いテーブルの端と端には主人と使用人。
その、中間あたりに、前の城主。
三人での食事に、ハウアーは笑顔をとりもどす。
が。
「―― ねえ、ハウアー、」
ジャックのおだやかな声に、のみきったスープ皿を落としそうなほど体をゆらし、ハウアーは反応する。
困ったように微笑みながら、ジャックがホーリーをうかがう。
「・・・おい、ばかハウアー、そんなに食器の音をたてんなって言ってるだろ。―― ジャックに食われるわけじゃねえんだから、そんなにびびんな」
「っは、はい」
主人におこられてうつむくのを、ジャックはちょっと心を痛めてながめ、今日も同じことを質問する。
「―― きみの、小さいころとか、両親のこととか、ちょっと思い出せたこと、あるかい?」
「そ、その、・・・あ、あたまが、よくないので・・・」
ごめんなさい、としぼりだされた声に、ホーリーが、役に立たねえな、と冷めた感想をもらす。




