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できなくて、
「はあ?てめえ何言ってんだよ。早く飯つくりやがれ」
「う、馬たちには、名前がなくて、ぼく、ホーリーさまみたいに、できなくて・・・」
「 ―― おい、おまえ、・・・本当に、そうなのか?」
ノーム種族の子守歌を?
「助けられなくて、ご、めんね。ぼく、なにも、できなくて、」
言葉にならない嗚咽をもらし、床に顔をすりつける。
「・・・いいから朝飯だ」
「っひっく、ぼ、ぼく、あたまわるい、からっつ!?」
髪をつかまれ顔をあげさせられたハウアーは、間近に怒りをふくんだ青を覗く。
「 おい、おれの言うことが聞こえねえのか? てめえがこんなとこでメソメソしてたって馬が死んだことに変わりねえだろ。 それより早く、おれの朝飯を作れって言ってんだ。これでも動かなかったら、てめえを外の川にすてる」
「・・・・ふ、、ふぁい・・・」
鼻と涙を垂らした赤い顔がどうにかうなずくと、ゆっくり髪がはなされた。




