機嫌をとるため?
「・・・驚きだね。そりゃたしかに『内緒に』する。 ―― でも、それって逆に、《クアット種族》にも、伝わってるんじゃないのかい?《キラ種族》に勝ったって話で。 ・・・いや、そんな話があったら、それこそぼくたちも知ってるか・・・」
種族間での噂の伝達は、なかなか早いが、聞いたことはない。
「本当ならいいふらされてるぐらいな出来事だろう?なのに、《クアット種族》も、この件に関しては黙ってるってことだ」
「まあ、それこそむこうは、きみたち《キラ種族》の、『仕返し』を恐れて口をとざしているんだろうけど・・・」
ジャックが腕を組んで考えこみ、ふいにドアのほうをうかがい口にした。
「・・・ハウアーって、ほんとうにクアット種族なのかい?」
「あ?だって、クアットが連れてきたんだぜ」
それは聞いたけど、とジャックは足を組み替える。
「 ―― たしかに、君のご機嫌をとるために、ハウアーを連れてきたっていうのは、わかる。 それで、きみの機嫌がよくなったかどうかは、ここでは触れないとして、 そのまえにきみは、そんなに《機嫌》をとられるほど、クアットを集中的に攻撃したかい? それまでと同じように、なるべくかかわらないようにしてたんじゃないのかい? なのに、なんでクアットだけが、君の機嫌を取る必要がある?」




