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噛まれる
「 そうか。 きみたちには、『仕返しを受けた』こと自体が、『恥』になるわけだね。 ―― で?いったいどんな仕返しを?」
お茶のおかわりをハウアーに頼み、ジャックが足を組み替えた。
ホーリーはひどくばかにしたように、投げやりに答えた。
「―― ・・・クアットに、噛まれた間抜けなやつがいる」
がしゃんっ
「も、っもうしわけありません!」
「どうした?ハウアー?」
「す、みません。手が、すべって、」
おかわりのお茶をいれようとしたポットを落としてしまい、あわててそれらを片付けると、新しいお茶をいれてくると部屋をさがった。
「 ―― ハウアーも、びっくりしたみたいだけど、 ぼくもびっくりだ」
本当なのかと、いまいち信用していない赤茶色の目がむけられる。




