仕返し
「 でもなあ・・・たしかに《クアット種族》も、この城に出入りしてたけど、 ぼくは、そんなに彼らと、話を深めた記憶はないんだけどなあ・・・」
腕を組んだジャックは黙り込む。
大きく開け放たれたドアを通り、落ち着いた色合いの足つきソファが置かれる広い部屋につく。
先に戻ったハウアーが、ポットからお茶をそそぎ、焼いたケーキを切り分けていた。
それぞれの気に入りのソファに腰をおろし、長い足をくんだ二人の男は、だまりこくってお茶を味わい、考えをまとめたジャックが、先に切り出した。
「 ―― ぼくがいなくなってから、ホーリーが《クアット種族》を、集中的に襲っていたんじゃないのかい?」
憮然とした声が否定する。
「あいつらを?冗談だろ。 ―― さっきも言ったが、おれは、《クアット》には、あんまかかわんねえようにしてんだ」
「仕返しをされたってことかい? あの、おとなしいクアット種族に?キラ種族が? ・・・わるいけど、そんな話きいたこともないよ」
信じていないようすをあらわに、カップをかたむける。
「当然だ。おれたち《キラ種族》が、あの、《クアット種族》に仕返しされた、なんて恥ずかしい話、ほかでするわけねえだろ」
ケーキを片手にホーリーは、顔をしかめる。




