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入れ知恵
「い、いたい・・・はい。この前怒られたから、《元気が出る花》はやめました」
「いいか?おれはキラ種族だ。 てめえら《クアット種族》に効く効能が、そのまま通用するわけねえだろ。 ―― おれには毒な野菜だって、てめえら平気で食えるだろ」
「ああ、そうか・・・。 あれ?・・・ あ!あの野菜!ホーリーさまには毒じゃないか!大変だ!どうしよう!」
「だから、食ってねえだろが」
「へ?・・・あ。そっか。ああ、よかったあ」
「おまえな・・・」
心底安心したようなハウアーの間抜けな顔をみていると、怒りも呆れにすりかわる。
階段の下で聞いていたジャックが笑いをかみころし、《クアット種族》に、毒野菜をもらったのかい?と聞く。
「てめえの入れ知恵じゃねえのか?《クアット種族》が、こいつを連れてきたのは。―― あいつら、この城にいりびたってた種族だったろ?」
「うん、まあ、そうだけど。 ぼくがすすめた覚えはないね」
お茶の支度ができている謁見の間をめざす。
ハウアーは何かを思い出したようにあわてて先に駆け出した。




