55/102
手が熱い
ジャックがハウアーの頭を撫で、そのまま肩を抱え二人並んで階段をおりはじめるのを、ホーリーは口を曲げたまま見送った。
ひょこりと、赤らんだ顔が階段をのぼって戻る。
「ホーリーさま、お茶が冷めちゃいますよ!はやく来てください!」
しかたなく足を進めると、ハウアーが手をさしのべる。
それをはたきおとせば、危ないから足元に気をつけて、などと言われる。
「うるせえ。 いいか?おれはもう、一人でどこにでも行けるんだ。いちいち手をだすな」
「でも、まだ食事の量が戻ってないです。さあ、つかまって」
「てめえの手は、やたら熱くていやなんだよ」
「へ?そうかなあ?・・・すみません・・」
小さな手を、もじもじと合わせ、うつむく。
ごつり、と、通り過ぎさま、その頭を殴ったホーリーがばかにした声をだす。
「 てめえ、おれのお茶に、また変なモンいれなかっただろうな?」




