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クアットときみの関係
「どこの魔族?」
「魔族じゃねえし、仕返しでもねえ。 おまけに力も弱い。 それになにかを『返される』なんて、ねえだろ。 ―― 自分たちの種族に手をださないでくれって、こんなモン を、押し付けるぐらいだ」
そのとき、息をきらし見張り台の入り口に上ってきた少年の声が響いた。
「ホーリーさまあ、ジャックさまあ、お茶の支度ができましたあ!」
顔を上気させるその様子に微笑んだジャックが、空をいちべつして踵をかえす。
「 ―― まあ、ハウアーのおいしいお茶でも飲みながら、ゆっくり聞かせてもらおうか。 ちょうど、―― 《クアット種族》と、きみとの関係に、興味を持っていたところなんだ」
「クアットとおれがどうしたって?かかわるのは、ばかハウアーだけで十分だ」
前をゆくジャックの肩がゆれ、なるほどね、と赤茶色の目が振り返る。
「 ハウアーか。 ・・・ホーリー、きみは《彼ら》の《呪い》を乗り越えたんだ。 ぼくはそれを、きみの『おそろしい』ほどの『しぶとさ』だと思っていたけど、・・・もしかしたら違うのかもしれない」




