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ホーリー・グローリー・ジャッカネイプスのむかしばなし《小分け版》  作者: ぽすしち


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52/102

スイッチ



 たくさんの穴とノーム種族を下に確認し、蝙蝠は方向をかえた。



 降り立った城の見張り台には、まぶしそうに空をみあげる白黒の服の男が立ち、おもしろそうにつぶやいた。


「恐ろしいもんだね」


 姿を戻したホーリーは、向こうをながめたままの横顔に聞く。


「 ―― 穴に、埋めるのを指示したのは、てめえか?」


 亡くなったキラ種族をノーム種族が次々と穴に放りこんでいると仲間に聞き、自分の目で確かめに行ってみた。

 腹を立てたように訴えた仲間の話とは異なり、ノーム種族はキラ種族を一人一人、丁寧に箱に横たえて埋めていた。




 どうやらあれが、ノーム種族が使う『ひつぎ』というものらしい。




 このごろ、急に強くなりだした風に、赤茶色の髪をかきまぜられたジャックが顎をひく。


「ぼくらノーム種族みたいに、『墓』をたてるわけじゃないからいいだろ? すでに、キラ種族だけじゃ手が足りないし、あきやすい君たちじゃあ、数が多すぎて、めんどくさくてやらなくなるだろうしね。 ―― なんて。 ・・・ほんとうは、《死んだキラ種族》から、新しい『病』が出るなんてこと、遠慮したいだけさ。 《彼ら》の喜びそうな、そういう条件は作り出したくないんだよ」


「条件?」


「そう。条件・・・いや、なんていうか。 この世界には《彼ら》の仕掛けた『落とし穴』みたいなものがあると思うんだ」




     『 仕掛けておいたスイッチを押したのは、おまえら自身だ 』





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