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駒
ぎょろり、 と。
上に浮かんだ《目玉》とは異なる、 《巨大な目玉》が、ふたつ、見つめてきた。
『 ゆっくりと観察するさ。
こわいもの無しのホーリー・グロッスリーが、じわじわと恐怖をあじわう様を 』
明らかにその《目》がわらう。
体の芯が、燃えるように痛む男は、口から滴り落ちる血を吐きだし叫ぶ。
「 って、めえ、 をっ 《呪う》 ! その目玉に 災いを! 」
『 さすが愚か者だ。口もきけないほどの痛みの中でも、仕返しは忘れないらしい 』
笑ったままの目が、ふたたび霧に隠されてゆく。
「っく、って、めえ、逃げんな・・っよ」
痛みで意識がもうろうとする中、固い何かでできた床をつかもうとするよう、指先でかくが、その指さえもう、閉じることもできない。
ジャックのクソのんびりした声を最後に聞いた。
「 ―― ぼくたち、ゲームの駒じゃないんだけどなあ・・・」




