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『召喚』
「 ――― そりゃ知らなかった。 だが、おれはこの通り、『追放』されることもなく、ここにいる。 てめえの言うこの世界以外が本当にあるっていうなら、おれはあの、でっかい目玉を破裂させて、こんどは目玉の城にでも住んでみるか」
気に入らない相手を消す魔術にかけては、絶対の自信がある。
鼻先が触れた女がゆったり微笑んだ。
「 『 ホーリー グロッスリー を 召喚 』 」
「っ!?」
明らかに、女の声ではない声を耳にしたとたんに、ひねりつぶされるような圧力がかかり、自慢の髪を上につかみあげられるひどい痛みにおそわれるが、視界はぶれて、喉も抑え込まれるようにつぶされ、息さえも出せない。
それに続いたひどい衝撃は、いきなり体を地面にたたきつけられたもので、バウンドしてひきつるように息が吸えた。
急激なそれに、涎をたらすままに過度な呼吸と咳をくりかえし、頭が働きだしてようやく状況を把握しだす。




