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ハウアーの荷物
この《クアット種族》をここに置くと決めてから、一番手近な部屋をさして、ここを使えとしめし、あとは放っておいた。
ジャックがいたころには客間として使われてただろうそこには、立派なベッドとしゃれた箪笥。
椅子とテーブルが置かれ、暖炉も備え付けられている。
床には豪奢な織物が一面に敷かれ、天井には水晶を使ったシャンデリアが、ロウソクをのせてぶらさがっている。
きれいに掃除され、整えられた部屋に目をはしらせたホーリーは、ドアのそばに、小汚い布が小さくまとまっているのを見つけた。
「おい。どこに寝てんだ?」
「え?こ、ここです」
おどおどした様子で、ぼろ布をさす。
「こ、これは、ぼくの大事な、にもつなので、あの、せ、せんたくはしてるから、汚くても、きれいです」
あわててその布をひろげてみせる。
『にもつ』は、シャツと下着と、黄ばんだ書物。
これですべて。




