20/102
いっしょに食事
「 ―― おかげでずいぶんときれいになったわね」
「別にどうでもいい。飯だけ食えりゃ」
「その『飯』だって、きれいでおいしそうじゃない」
どこで見ていたのか、女が昨夜の献立を口にする。
「 ―― ジャックがいたときの食事みたいだったわ。 食材を他の種族たちが持ってきてくれるから、いつもたくさんの料理が並んでた。 ・・・そういえばホーリー、あなた、ハウアーと一緒に食事してるのね。驚いたわ」
真っ白なクロスがかかる、このおそろしく細長いテーブルの、端と、端で。
「 ―― 食材は、あいつがどこかの畑を手伝ってもらってきてる。 どこの畑で《何種族》にもらったもんか説明させて、あいつの反応をみながら、食うことにしてる」
「あら?毒見ってこと?でも直に毒をしこまれるとはかぎらないんじゃないの? たしか、《キラ種族》にだけ、即効で毒になる野菜があるってきいたわ」
くすりともらした女は、にらんでくる青をかわすよう、するりとテーブルの下に逃げ込んだ。
不思議なことに声が上から降る。
「 ハウアーは、食事中ずっとあなたを見てる。 いつ話しかけようって、そわそわしてね 」
今度目を合わせてあげてという女の声に、ホーリーはただ顔をしかめた。




