誤解をときに
柱にかろうじて残った燭台に、揺れる炎がいきなり巨大なものとなり、フードの中の顔を照らすように二人を囲んだ。
姿がみえないまま、低い声がわらう。
『 はっ、なんだ?《クアット種族》じゃねえか。 そっちは?てめえのガキか? 間違って入り込んだんなら、今すぐ出ろ。 ――― わざと入ったっていうなら、おれと遊ぶか? 』
「ちょ、っちょっと待ってくれ! おれは《キラ種族》のホーリーに、大事な用があってきたんだ!あんた、ホーリーか?」
『 ・・・だとしたら、なんだ? 《クアット種族》と、親交を温めるつもりなんざねえぞ。 てめえら、《ノーム種族》と仲がいいんだろ? それならおれが、《何をしたか》知ってるだろ? ああ、それとも、 ―― 同じように、なりに来たのか? 』
ぎゃははは、と笑う声に合わせ、ロウソクの炎がぐるぐると踊った。
コートの男が上をみあげ、さけぶ。
「ちがう、ちがう! おれはその、あんたの誤解を解きにつかわされたんだ! おれたち《クアット種族》は、別に《ノーム種族》となんか仲良くないし、そのせいであんたに狙われるのはもうごめんだ! だ、だから、みんなで話しあったのさ! どうしたら、あんたのその誤解を解けるかって。 ―― で、思いついたんだ。あんた《キラ種族》だから、魔力も偏ってるだろ? 暴力的だったり破壊的なことには魔力は使えるのに、《魔法使い》みたいに、食事を出したりとか、物を片付けたりできない。 この通り、城の中もごちゃごちゃで、きたねえままだ」
示した壁際で、子鬼たちがキヒヒと笑う。




