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新しいホーリー
ジャックはめまいを覚え、テーブルに手をつく。
子どもはワインを一気にあおる。
「・・・おれは、―― 『聖なる果実』ってのがほんとうに存在すんのか見たかっただけだ。それに、目玉がこんな『筋書』を考えてるとも思えねえから、あいつらの上をいきたかっただけだ」
空のワイングラスをつまむ手つきは、あの男のものだった。
でも、―― 。
「・・・きみはきっと、ぼくの知ってるホーリーでもなくて、ぼくらを《駒》にしているやつらが知ってるホーリーでもないんだろうね・・・」
むこうから、カチャカチャと食器のふれあう、あぶなっかしい音が響く。
もうすぐ、赤い顔をしたこどもが「おまたせしましたあ」と笑顔をみせるだろう。




