09
王様との会談は終わって、姫も一度帰っていく。
いろいろな用意があるらしい。
一応、空き部屋を見てもらって、その範囲で用意してもらうように言う。
王女だから、あんまり特別扱いというわけにもいかない。
それも、先方には伝えた。
周りの人は躊躇したが、姫自身がそれでいいということで決定。
それから、お付きの人も付けないように話をする。
これは、ニャーニャとシャールの条件。
逆じゃないかなって思ったんだけど、これ以上人を増やしたくないらしい。
姫のことは2人が見るということになる。
王様を見送ったあと、ニャーニャとシャールに呼ばれる。
普段やさしい2人なのに詰問口調でぼくを責める。
「どうして、王女さまとの結婚をお断りしないんですか!
あの、神官さまは巫女と一緒にニャニャーのお世話をするもんなのです!」
「神官さまは、王女とか巫女とかじゃなくて、わたしのようなただの騎士団の子がお相手するべきなんです。
最初の騎士団は神官様の、その、奥様が作ったのです!」
「えっ?」
同時に言って、顔を見合わす2人。
「「だから、結婚はお断りすべきなんです!」」
ハモる2人。
やっぱ、ニャニャーの魅力はすごい。
この2人はそんなにニャニャーと一緒にいたいんだ。
「まだ、結婚するって決まったわけでは…
あの、ここではあんまり贅沢な暮らしはしないし…
すぐに嫌になると思うんだ…
それに…
あの場は断れない感じだったし…
どっちにしても、ぼくはここから出て行くつもりはないんだ…
だから、ニャニャーもずっとここにいるよ」
「まあ、いいですよ。
姫さまがここでの暮らしに耐えられるかわからないですし…
そのかわり、アヤトさまは毎朝、わたしの剣の相手をするんですよ。
約束です」
シャールがしばらくして口を開く。
「うん、シャールの言うとおりです。
そのかわり、わたしの魔術の練習にも付き合うんです。
それから、狩りや町に行く時、わたしたち一緒に行くんです。
解りましたね」
ニャーニャもそう言って微笑む。
まあ、ニャニャーと離れないことで納得してもらったのかな。
すごい剣幕だったから、良かった…
ぼくは、ほっと胸をなでおろした。
今日はとんでもなく気を使う一日だった。




