幕間06 教皇ゴロゴ2世
さて、裏口から逃げましょうか。
すぐに奴らには復讐をさせていただきます。
待っててくださいね。
ほんとうにすぐですから。
「ふうん、そうなんにゃ」
目の前にはひとりの子供…
前にみたことがあります。
この黒い耳をもった子供は…
ニャニャーに変身したあの子供です。
「ぼくたちはね。
良くしてくれたことはまあまあ覚えてるにゃ。
でもね…」
腕を組んでそりかえる子供。
黒い尻尾を左右に動かす。
「傷つけられたことは絶対わすれないにゃ。
おまえはアヤトに魔法を使ったにゃ。
アヤトは許すんだろうけど、ぼくたちは許さないにゃ」
まずいです。
でも、これはニャニャー。
ばかな獣なんです。
わたしの知恵をもって言い逃れましょう。
「ニャニャーさま。
申し訳ございませんでした。
ニャニャーを騙る偽物が後をたたず、ついああいうことをしてしまいました。
あなたがたこそ、ニャニャーと神官様であることがわかりました。
誠に誠に申し訳ございません」
わたしはその場で土下座する。
あたまを下げるなんてタダですからね。
いくらでも下げましょう。
わたしは地にあたまをつけたまま舌を出す。
「そうなんにゃ」
腕を組んで優越感にひたるバカな子供。
「しかし、わたしと騎士たちの攻撃を簡単に無力化するなんて、すごいです。
これでも、この国では有名な魔法使いなんですよ」
手を揉みながら、ニャニャーに媚びる。
「たいしたことはないにゃ」
もう一歩。
「わたしたちはニャニャーさまの下僕です。
これから、ニャニャーさまと神官様に仕えます」
「それはやだにゃ。
おまえに仕えられたくないにゃ。
おまえみたいなおっさんになでなでとかされたくないんにゃ。
おまえの処分は、みんなに任せるにゃ」
いきなり、わたしはなにかに掴まれたように宙に浮き上がり、気がついたら、別の場所にいた。
私の横には金貨の袋と麻薬の袋…
その上、麻薬の袋は破れて、白い粉が溢れ出していた。
目の前で、あの神官、王、執行官がわたしを見下ろしていた。




