06
王女さまにトラを渡す。
大丈夫だろう…まあ、手に爪を立てられるくらいだろう。
それにしても、この茶色は猫をだっこしようとすると、察したようにそこにいるのだ。
まあるい目でぼくを見上げるのだ。
これも一種の才能かな。
猫を手渡すとき、シャールとニャーニャが羨ましそうにみている。
君たちはあとで、いくらでも触れるだろう。
まさか、ぼくが王女に接近したのに嫉妬しているなんてないだろうけど…
「それでは、今度、浄化に伺いましょう。
麻薬中毒も毒と同じで、浄化の魔法が使えます」
「しかし、かなりの人数になりますよ」
「ニャニャーさまなら可能です。
ニャニャーさまもミーニャ教徒とバーミリオンを守りたいのです」
ほんとかクロ。
おまえら、そこまで考えないだろう。
「今、教皇さまはどこにおられますか?
もう一度、この家のことを交渉したいのですが…」
「教皇様は、神官様との会談以来、身を隠しておられます。
しかし、教皇の地位はまだそのままですし…
困ったものです」
「たとえば、教皇さまが失脚とかされると、どうなりますか?」
「そうなると、筆頭巫女のニャーニャ様が代行を務めることになりますね」
「じゃあ、ニャーニャさん。そうなったら、ここに住んでも良いですか?」
「もちろんです。神官さま」
ニャーニャはノータイムで答える。
でも、そんなうまい話あるわけない。
あれ?いきなりクロが消えた。
次に何を言ったらいいんだろう。
すこし、考える振りをしてごまかす。
そして、次の瞬間。
僕たちの前にいきなり教皇が現れる。
その横には、大きな金貨の袋ともうひとつの袋。
その袋は、破れ白い粉が床にこぼれ落ちていた。




