幕間05 バーミリオン第二王女 カルニャ
えっ、何?
このかわいい物体は?
一目見たとたん、この黒いのに魅了されてしまった。
それだけじゃない。
その後から現れる、白、茶、茶白、三色、灰色…
可愛すぎ…
触りたい…
もう、それしか考えられなかった。
それから、神官さま…
以前の神官様ってハゲでデブで背が小さくて、気持ち悪かったらしいけど、この人はそんなんじゃない。
背は175センチくらい、デブじゃくて禿げていない。
それに、さっきからの会話を聞いていたら、はっきりと話をするし頭もよさそう。
なによりもそのやさしそうな目…
悪くない…
っていうか私の好みかもしれない…
髪の毛とかボサボサだけど、きちんとした格好をすれば、十分かっこいい。
話の途中だけど、恐る恐る口にしてみる。
「あの、触ってもいいですか?」
「あっ、はい」
神官さまは茶色を抱き抱え私の方へ来る。
「最初は頭と喉だけにしてください。
他を触ると怒るときもあるので…」
「はい…」
これが、一軍を滅ぼしたっていうニャニャーなの?
ゆっくりと頭を撫でる…
茶色は目を細める…
この感触気持ちいい。
うさぎほど柔らかくなく、犬ほど硬くない…
本当に手のひらにちょうどいい毛の感触。
毛並みに逆らうようになでてみる。
茶色は気持ちよさそうにピンク色の舌で鼻を舐める。
可愛すぎる。
「抱いてみる?
トラいいよね。
引っ掻いたらダメだよ」
神官さまはそう言うと、茶色をわたしに押し付ける。
「引っかかれるかもしれないけど…
トラって名前なんだ」
わたしは両手でそれを受ける。
茶色は丸い目でわたしを見上げる。
わたしは片手でトラさまを抱え、もう一方の手で頭を撫でる。
そして、頭に鼻をつけて匂いを嗅いでみる。
動物の匂いじゃなくて、なんかおひさまの香り。
「トラさま…」
わたしは名前を呼んでみる。
トラさまはニャーと可愛い声で鳴いた。




