07
「教皇さま、なにか言いたいことはありますか?」
執行官は冷たく言う。
「わたしは…
嵌められたんだ」
教皇はまだ悪あがきをする。
クロの考えはこういうことだったんだ。
あの教皇とか言うおっさんを失脚させて、ニャーニャを代行にすれば、ここに住める。
この場所は普通の場所じゃない。前の神官の遺跡が残されているのだ。
その遺跡は日本語が読める僕にしか読めないのだ。
それにしても…
そこまで、考えてたのか。
ほんとうにクロは長靴を履いた猫だ。
知恵で飼い主を王子にしたあの物語の猫みたいだ。
「ゆっくりと話を聞きましょう」
執行官は、教皇を引き立て連れて行く。
もう、これであのおっさんも終わりだろう。
「見苦しいところをお見せしました」
王様があたまを下げる。
「いえ…」
「それでは、ニャーニャが教皇代行となります。
ここに住んでいただけるようです」
ニャーニャは王様の言葉にうなづく。
「ありがとうございます」
「それから…」
王女が王様の耳元でなにか言う。
「もしよろしければ、このカルニャ姫を神官様に嫁がせたいと思うのですが、どうでしょう」
「えっ?」
「王家とミーニャ教のため、バーミリオンのため。たいへん良いことだと思いませんか」
「いえ、あの」
「姫も今日、神官さまとお会いして、是非にとのことです」
カルニャ姫を見ると、顔を赤くして目を伏せる。
なにかの陰謀?
「姫も来年は15歳、来年にでも婚礼をあげるというのはどうでしょう?」
いきなりそんなこと言われても…
「まあ、考えておいてください」
「あの、お父様。わたし、それまでここで神官さまと暮らします。
いいでしょ」
トラを抱いたまま、僕のとなりにくるカルニャ姫。
クロとシロが僕たちを見上げて、嬉しそうに目を細めた。
この休みは猫と遊んできます。
更新は休み明けに再開します。




