幕間02 バーミリオン王 カルカン3世
わたしはバーミリオンの王だ。
しかし、この国では王家というのは、お飾りにすぎない。
基本、ミーニャ教が国教となっており、教皇が力を持っているのだ。
わたしも若いときから、あの妖怪に対して頭が上がらない状況となっている。
確かに、昔、この国にニャニャーが現れたとき、その時の王は神官を殺した。
ただ、王家にも神官側の勢力があったわけで、我々はその末裔となる。
その時のことがあって、王家はただの文化遺産となったのだ。
軍もミーニャ教聖騎士団となり、一部の親衛隊だけしか持たない。
何をするにも教皇の許可がいるという態勢となったのだ。
ただ、今回はあの妖怪がミスを犯した。
こともあろうか、ニャニャーさまに剣を向けたらしい。
ニャニャーを崇める宗教の教祖として、何を考えてるんだか。
しかし、これは王家にとってチャンス。
ニャニャーさまの力でかつての力を取り戻せる。
そのため、今回、娘のカルニャを連れてきた。
わがままな娘で説得に苦労はした。
最後に、自分の立場をわかってくれた。
この子が神官さまと結婚すれば、王家はニャニャーさまのお力を得ることができるのだ。
その間に子供が生まれれば、祝福された王となり、バーミリオンはかつての栄光を取り戻せるのだ。
この国はこのままではいけない。
今の腐ったミーニャ教は民に対して何もできない。
なぜか、町には阿片中毒者が増えており、治安も悪くなっている。
教皇中心の議会は適切な経済政策もとれず、自分の保身に走るだけ…
山賊はニャニャーさまが退けてくれた。
しかし、国の危機は全然去っていないのだ。
このままでは、この国は早かれ遅かれ滅んでしまうのだ。
そのために、わたしは娘を犠牲にしなければならない。
これは王としての使命だ。
王家としての使命なのだ。
だから、娘よ。
頭のいい子だからわかるよな。
カルニャ、お前だから神官の相手に選んだのだ。
理解してほしい。
我々は国を存続させることを自分の命より優先しないといけないことがあるんだ。
わたしは馬車の中で娘の横顔を見ながら、心の中でこの聡明な娘に詫びた。




