02
ドアの隙間から見えるのは、ミニューさんだ。
この前の処理が終わったのかな?
とにかくややこしいことにならなければいいんだが…
あのシロが倒した人たち、通りすがりの商人かもしれないけど…
何もしなければ、シロがあんなことをするわけがない。
シロが言うには、なにか嫌な感じがしたらしいし…
まあ、嫌な感じであそこまでするのもどうかと思うけど…
猫なんだから仕方がない。
たぶん、シロを捕まえようとしたとか、そういうのだと思う。
そこは、絶対に抗弁しよう。
ニャーニャがこっちにやってくる。
その顔は嬉しさが溢れているって感じの笑顔。
なんとかなったんだなってことがわかる。
「アヤトさま。
今、ミニューさんが来て…
あのね…
それで、王様が会いたいって、ここに来られてて…
早く着替えて…」
興奮して、鼻の穴を膨らませて話すニャーニャ。
わけがわからない。
まあ、向こうでいえば、中学生だもんな。
ミニューさんに直接聞く。
あの被害を受けた人たちは山賊団で、この国を狙ってたってことらしい。
そういえば、そんな話を聞いたような…
あっ、あの教皇とかいうおっさんだ。
それで、その件はお咎めなし。
それから、国王様が感謝のため、こっちに来られるってことらしい。
ん????
国王さま???
ニャーニャとシャールが神殿の中を片付けだす。
ぼくは正装をしてお出迎えするということらしい。
正装って???
寝室のクローゼットには、なんか紺の軍服みたいなのがあって、それを押し付けられる。
いつの間にか、侍女みたいな人が数人神殿に入ってきている。
絨毯を敷き直したり、テキパキと働く。
でも、この服、身長はいいけど、お腹のあたりがブカブカなんだけど…
それも、手早く侍女軍団に直される…
猫たちは僕たちを遠目に覚めた目で見ている。
そう、猫って時々そんなところがあるんだよな。
人間の営みを、達観した位置から見ているみたいな。
だから、夏目漱石もそういうのを風刺するために猫を使ったんだろうなって思う。
何はともあれ、いきなり僕たちも王様への謁見が始まった。




