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猫にひかれて異世界生活  作者: PYON48
第一部 猫に引かれて異世界へ

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「神官さま、わたしはラーニャ。

 この町の商業ギルドを仕切らせてもらっています」

 青ドレスの人は立ち上がって僕に挨拶する。


「ぼくは、アヤト。ニャニャーの神官だ」

 できるだけ、堂々と自己紹介をする。

 でも、あまり喋ったらボロがでるから、必要以外は喋らないようにしている。

 クロの入れ知恵だ。


「そして、ぼくは従者のクロ。

 交渉事みたいな雑事は、ぼくがやることになっているんにゃ」

 得意そうに胸を張ってクロが言う。尻尾を左右にゆっくりと動かす。


「それで、いくらくらいの値をつければいいの?

 ちいさな従者さん」


「べつにいくらでもいいにゃ。

 神官さまがいるかぎり、いつでもこの程度の獲物はとれるにゃ」


「じゃあ、どうしてわたしと交渉するの?」


「毛皮はいくらでもいいにゃ。

 そのかわり、ギルドの権利がほしいにゃ。

 たしか、昔の神官さまも持ってたはずにゃ」


「そうね。ここのギルドは神官さまが作ったっていわれているわ」


「そして、この町のギルドは発展したんだにゃあ。

 だから、元締めのお姉さんにも悪い話じゃないにゃ」


「そうね。

 神官様はいろいろな発明品をギルドに出してくれたらしいからね。

 ギルド全体の利益になるわ。

 いいわ、とりあえず金貨100枚とギルドの登録証でどう?」


「交渉成立だにゃあ。

 いいでしょ。アヤト神官さま」


 ぼくは意味がわからないけど、クロに任せているんだから首を縦に振る。


「チュール、金貨と登録証を用意して差し上げなさい」

「はい、ラーニャ様」

 ラーニャの言葉に、チュールは忙しく裏に走っていく。


「それから…神官様。

 わたしからひとつ魔法をお教えしますわ」


「魔法???」


「たぶん、神官様なら会得できるはずです。そのかわり、他の人には教えないでください。絶対にです。まあ、空間魔法は簡単にはつかえませんが…」


 ぼくは構える。いままでの魔法は見るだけでできたんだけど…

 よく見てなくちゃ。

 ラーニャは目を閉じて手をかざす。


「もういいわ。成功したみたいね」

 ラーニャの言葉につられるように、ぼくはウィンドウを開く。

 魔法の欄に『ゲート』という新しい言葉が浮かんでいる。


「ゲート???」


「そうゲート…一度いったところならどこへでも行ける魔法です」


 考えると最強の魔法。RPGでは、戦闘中に使えないから、ただの移動手段に過ぎなかったけど、考えてみればすごい魔法だ。

 何人連れて行けるかわからないけど、戦場にいきなり軍隊を送ることもできるし、確実に逃げることもできる。


「ありがとうございます」

 僕はラーニャに礼をする。


「いいのよ。この魔法は神官様に教えるために受け継いできたものなの。

 神官さまにお伝えすることができてよかったです」


「神官さま、ぼくはこのお姉さんと今後の話があるんだにゃ、シャールと冒険者ギルドに行っておいてほしいにゃあ」

 クロはそう言って、ラーニャと一緒に奥の応接室に消えていった。


 残されたぼくは、クロの交渉力に目を白黒させながらもシャールと一緒に外のとおりに向かった。


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