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翌日、朝ごはんが終わってから、神殿を出る。
昼過ぎの約束だけど、町をいろいろ見て回りたいから早い目に出る。
肩には、クロがのっている。
トラがまだ行きたそうにしている。
それをたしなめるミケ。
「クロ、頼むよ」
「まかしといて」
クロが頼もしくニャーと鳴く。
予定では、町の門まで猫のままでいって、そこでクロは子供の姿になる。
町をニャニャーのまま歩き回ると、町の人たちが驚くかもしれないので、そのためだ。
人間化も疲れるらしいので、あまり長くならないようにする。
念のため、大きなバックを持っていくようにする。
試してみたけど、猫袋には生き物ははいらないみたいだ。
昨日の晩に、猫のおやつを作ることに成功した。
ちいさな魚を焼いて、スティック状にしてみたのだ。
思いのほか、猫たちに受けがよかった。
イ○バの○ュールみたいなキラーアイテムに育ってくれたらいいな。
とりあえず、今は生カツオスティックくらいの力はある。
そのおやつも十分に猫袋に入っている。
クロは、僕の腕の中におりてくつろぐ。
シャールといっしょに歩く。
本当なら、迎えの馬車とかよこしそうなものだ。
でも、徒歩で町に向かうぼくたち…
歓迎されていないのが、わかる。
別に歓迎して欲しいのじゃないけど、なんか引っかかる。
クロはこのことを言ってるんだろうな。
本当に頭のいい猫だ。
「ねえ、アヤトどう思う?」
クロは僕に問いかける。
「うーん。まあ、どうせ今日は町に行くつもりだったからいいんだけど…」
クロを見て微笑む僕。この会話はシャールにはわからない。
「アヤトらしいね。
ぼくはね。その教皇とかいうのは、ぼくたちを怒らそうとしているんじゃないかなって思うんだ」
「怒らせるって?」
「そう、今、神が現れることは歓迎していないんだ。
自分の地位が脅かされるからね。
たぶん、ここでの地位は教皇より神官…つまりアヤトの方が上だね。
だから、ぼくたちを伝説のにゃにゃーを騙るものとしたいんだ」
「でも、クロたちはニャニャーなんだろ…
現にそれだけの力を持っているし」
「フフ…そうだね。でも、普通の人はこんなにちいさな動物にそんな力があるなんて思わない。
なんせ、こっちのネズミより小さいんだからね。
だから、ぼくたちを追い出して、いままでどおり、ミーニャ教を支配できると考えてるんだね」
「うーん。じゃあ、怒らないようにすればいいんだね」
「そういうこと。あとはぼくがなんとかするよ」
ひとりで、ブツブツと言ってるぼくをシャールは、不思議そうな目で見つめるのだった。




