幕間08 猫忍 ミニュー
「だから、シリュウさんがこの国に攻めて来るのです」
猫耳の忍び装束の少女が必死でセイレンから伝えられたことを法皇に伝える。
「ミニューよ。だから降伏せよと?」
「うん、シリュウさんは強いです。
この国の騎士でも魔導師団でも太刀打ちできないです。
すこしは抵抗できるかもしれませんが、それだけです」
「しかし……」
「元ニャニャー騎士筆頭!ミニューのいうことが信じられないんですか!」
「国が山賊団に降伏しろと…」
「そうです。でないとバーミリオンの民が滅びてしまいます。
ミーニャ教も…。
ニャニャーさまの教えも、滅んでしまうのです。
そうならないよう、わたしはシリュウの懐に入り込みました。
降伏さえすれば、民たちは助かると思います。
シリュウさんはそういう人です」
「話にならんな」
立派な法服の老人は、後ろを向く。
その部屋に一人の猫耳鎧の騎士が入ってくる。
慌てながら、わたしがいるのも構わず、教皇に大きな声で報告をする。
あれは???
シャールじゃないか?
わたしの弟子で、私の後のニャニャー騎士団を率いるシャール。
「教皇さま!ニャニャー様です。
ニャニャー様と神官様が現れました!」
「ニャニャー様だと!」
「はいっ。たしかにニャニャー様です。
神官様は伝説とすこし違いますが…」
「シャール!」
「あっ、ミニュー様」
「ニャニャー様が現れたって本当か?」
「はい…神官さまといっしょに…」
「シャール!下がれ」
シャールの言葉を遮る教皇。
「まさか?ニャニャー様と神官様がついに…」
「さあ…どうだろうね」
「シャールと話をさせて…」
「フフ…ミニューよ。今やおまえはミーニャ教とはなんの関係もないのだ。
だから、ニャニャー様の敵というわけだ…
知っているよな。ニャニャー様の力を…」
ミーニャ教騎士はニャニャーの伝説をいやというほど、植えつけられている。
ニャニャーさまが現れたとなると、いくらシリュウさまでも簡単にバーミリオンを落とすことはできないだろう。
シリュウさまに教えないと…
そして、戦争は避けられるかもしれない。
わたしは、シリュウさまのいる最前線へと急いだ。




