幕間07 エリル教聖女 メレデール
わたしは、シリュウのパーティで回復役を務めるメレデール。
パーティでは回復魔法は重宝される。
でも、そのパーティでの地位は低い。
まるっきり回復薬扱いだ。
MPぎりぎりまで、回復役をさせられて、分配は一番後回しにされる。
わたしは女神エリルに帰依した僧侶。
回復魔法は神の力を具現化する。
だから、わたしたちはエリル教に帰依し、その奥義である回復魔法を会得する。
攻撃魔法とは違って、真面目に勉強し、練習して初めて会得できる力なのだ。
だから、そこらへんで魔法の書を手に入れて会得する攻撃魔法とは違うんだ。
それなのに、魔女は攻撃でもちやほやされる。
魔力の回復も魔女が優先される。
それだけではない。
わたしたちは体術も鍛えないとならない。魔女のようにHPが低いと、冒険に耐えられない。
また、稼ぎの一定の割合はエリル教に収めないとならない。
ほとんどブラック商会のような、きつい仕事。
だから、なり手も少なく、より仕事はきつくなる。
悪いスパイラルにハマっている。
本当を言えば、この山賊団には倍以上の僧侶がいても足りないくらいだ。
しかし、シリュウはわたしたちのような裏方にも気をかけてくれる。
シリュウのパーティでは分配は平等。
乱暴な前衛が何を言っても、シリュウは裏方の大切さを説く。
「こいつらがいるから、俺らは戦えるんだぜ」
パーティでも仲間として分け隔てなく扱われ、今も幹部として回復部隊を率いている。
女神エリルのため、シリュウのためにわたしはこの命を捧げよう。
シリュウの世界ではわたしたちの地位は上がっているかもしれない。
そういう夢を見せてくれるのが、シリュウだ。
それと、今回の敵はバーミリオン。
あの忌々しいミーニャ教とかいうやつらの本拠地だ。
このパーティにもいるが、ミーニャ教とかいうのは滅ぼすべきだ。
食う寝る遊ぶを最重要とする快楽主義。
それに、あのでたらめな魔法。攻撃魔法も回復魔法もなんでもあり。
それに同じ回復魔法でも、わたしたちの半分以下のMPしか消費しない。
あの邪教は滅ぼすべきだ。
ニャニャーだって、ふざけるんじゃない。
わたしたちは努力して生きていくんだ。
生きることは苦行なのだ!
だから、我々は天国を目指して正しく生きていく。
滅ぼしてやる、そんなふざけた宗教は。
確かにエリル教の十戒のひとつにニャニャーには手を出すなっていうのがある。
神よ!わたしは今それを破ろう。
わたしが、許せないのだ。
ゆるく楽しく生きていけばいいじゃん。
そんな教えは滅ぼすべきなのだ。
わたしは手に持った錫杖に力を込めて、シリュウの後に続いた。




