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猫たちは、歩かない。
ここは犬と違うところだ。
家でも散歩をしようとハーネスとリードをつけても、こっちの行くところにはついてこない。
興味があれば動くけど、基本的にはうごかない。
リードを取ったら、どこかに行ってしまう。
でも、こっちの世界では、猫たちは僕の言葉がわかるみたいだし問題はない。
歩くのは下僕の仕事とばかり、僕の身体の上に乗っている。
「なにかあったら頼むよ。トラ」
「まかしといて。アヤトはぼくたちが守るよ」
「うん、ぼくたちがアヤトに狩りの仕方を教えてあげる。
こっちから獲物の臭いがするよ」
トラとブチは頼もしいことを言いながら鼻を動かす。
猫の嗅覚はすごいらしいから、トラたちの言うとおりに動く。
でも、こいつらはいまひとつ信用できない。
基本的に茶トラだから、あんまり考えて行動しない。
その分、いろいろとおもしろ可愛いんだけど…
林の前で、トラが肩から降りる。
ヒクヒクと鼻を動かす。
なにかを見つけたようだ。
ブチも同じ。
トラの横で、耳を左右に動かしている…
2匹が同じ方を見る。
そのまま駆け出す。
草むらに飛び込んで、バタバタと走り回る。
なにかを追いかけてる。
草むらから飛び出す黒い影…
僕のほうに飛びついてくる…
ネズミ…でも…猫くらいの大きさの…
昨日から思ってるけど、この世界は動物がでかい。
そのスピードを避けきれず、大ネズミの体当たりを受けてしまう。
うしろにひっくり返る僕…
やばい、HPが5になって赤くなっている。
あと、一発受けたら死んじゃうじゃん。
なんとかしないと…
そういえば、回復魔法を覚えたような…
でも、焦れば焦るほどウィンドをうまく開けない…
そんなことを考えてるうちに、僕に止めを差す、2匹目のネズミがとびかかった。




