独学志向
どうしようもない父親が、僕には居る。
戸籍上の父、父親とも思っていない。
違う女と子供を作り、逃げた男が
僕の父親、「深井 一人」である。
僕の名字は現在、母親の旧姓となっているので
「深井」という読み通り僕にとっては不快な名字ではないのだが
しかし、転がり込んだ女の名字「遊女」であったことに気づいた。
もしかしたら、この子は
と思った
それだけの感情に揺さぶられる僕ではないし
まず、彼は漢字を名乗っていない。
あくまで、「ゆうめ」と言っただけなのだ。
しかし、それだけでも妙な歯止めがかかるのだ。
最低な父親の子でも、僕の腹違いの弟なのだから。
「さあて、ではこちらからっ!」
遊女はヨーヨーを投げた。
と言ってもヨーヨーなので遊女の方へちゃんと戻ってきた。
びぅんびぅん
と、風を切る音がする。
そして、難易度の低い技、「ブランコ」へと転じた。
「何のつもりだ....?」
「遊んで....るのかな」
いやいや、本当に意図がわからない。
僕らが困っている間にも
遊女はヨーヨーをまるでヌンチャクを振り回すように
操っていた。
「ほーう」
「どうかしたのか?」
「あいつ、縄張り作ってんな」
「縄張り....か」
「ほら、足元見ろよ」
「ん?」
独楽があった。
ぐるぐる回る、あの独楽が
足元に無数にあった。
無数に、というのは数を数え切れられなかっただけであって
無限に、というわけではないが
その場から動けないほどになっていた。
「よしよし、フィールドができたところで
早く始めようか」
身空シドは独楽を蹴散らしていった。




