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さようなら
自分ではない誰かを、自分として認識した。
何となくで生きてきて
運命も偶然もそこそこ信じて
現実という現実も嫌というほど見て
選択も出来ないまま状況を飲み込んで
吐き出すことも悩むこともできず苦しんで
他人に頼ることもできなくなって
一人だと思って孤独感を味わって
馬鹿だなぁ、と笑われて
それでも必死に生きてきて
一生懸命泣いて
一生懸命笑って
一生懸命頑張って
そうした結果がこれなんです。
お父さん、お母さん
お許しください
気付けば、手で人の胸を貫いていた。
返り血を浴びた、一生分の血を浴びた。
後戻りは出来ない
だから、進むしかない
「なっ....なーんだ....。
やるじゃねぇか....お兄さん....」
指先に糸が繋がった人を殺していた。
僕はすぐに、その人が連中を操っていたのだということがわかった。
その細い糸に、血が伝っているように
赤い月は見事に
連中と殺された人の間に糸の姿を浮かび上がらせていた。
「さようなら、最愛の人
さようなら、甘ったるい世界」
笑いが止まらなくなった。




