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血の世界   作者: 言乃 一字句
12/17

王手

「殺すなら....早く殺せ」

「それなら初手で殺してるよ」


シドなら、本当に初手で殺せていたはずだ。

だがしかし、『あえて殺さなかった』としたら

もしその理由が『拘束し、情報を掴む』ことだとしたら

あやとりでの拘束は少し弱く感じられた。


「そこの女を殺したのは、鍵が欲しかったからだと推測するが 」

「正解だよ、その為だけにわざわざ殺した」

「表に手を出すとはな」

「それだけの案件なんだよ、一般人を排除することは重大だ」

「それだけじゃあ、ないだろう?」


ふっ と遊女は笑みを浮かべた。

その時僕は彼の左手に違和感を感じた。


「おい、シド

そいつ左手に何か握ってるぞ!」

「王手だ、飛んでけ飛車!!」


小さな将棋のコマが遊女の左手から勢いよく発射された。

そしてシドの手前で白い煙をあげて爆発した。


「伏せて早くここから出るぞ!」

「わかってるよ!」

床を這うようにして玄関先へと向かう。

どうやら、催涙ガスのようだ。

じわっと涙が出てきた。


外に出た頃には、遊女は姿を消していた。

蹴散らされた独楽や、大きな将棋のコマ

あやとりまでもが跡形もなく消え去っていた。


部屋には彼女の亡骸だけが転がっていた。

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