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第三話:放課後デートは「微レ存(びれぞん)」?

「感想、言いに来ます」なんて格好つけた手前、俺は洗ったタッパーを抱えて隣のドアの前に立っていた。ドキドキする。心臓に悪い。

インターホンを押そうとした瞬間、またドアが開いた。


「キターーー(゜∀゜)ーーー!! 器返却乙!」


今日のお姉さんは白Tシャツにデニムのショートパンツ。活動的だ。


「……すごく美味しかったです。これ、お返し、というか……」


俺はコンビニで迷いに迷って買った、高いプリンを差し出した。


「え、マジ!? 貢物みつぎものキタコレ! ……よし、決めた。お姉さんのネタ探しに付き合いなさい。今からデート、よろ!」

「デ、デート!?」

「現役DK(男子高校生)とお出かけ。……私たちが付き合ってるって間違われる可能性も、微レびれぞん?」

「びれ……何ですか、それ」

「微粒子レベルで存在している、って意味だよ! 可能性はゼロじゃないってこと!」

腕を引かれ、レトロな商店街へ。


「この看板、ナウいね!」

「クレープ、半分こする?」


お姉さんは「あーん」と言い出しそうな距離でクレープを差し出してくる。


「……ねぇ、高校生。今日付き合ってくれてサンキュー。正直、一人でネタ探しするの、ちょっと寂しかったんだよね」

「……俺も、楽しかったです。変な言葉ばっかり覚えますけど」


お姉さんは驚いたように目を瞬かせ、

それから今日一番の笑顔を見せた。


「……やば。今の言葉、ガチで“神”だわ。推せる」

「だから意味が分からないですって!」

「いいの。意味なんて後からついてくるから。今は、このwktkを大事にしなよ」

「ねぇ、明日も生存確認していい?」

「……うpを待っててください」

「合格! 死語筋力、カンスト寸前だね!」


お姉さんの笑い声が街に溶けていく。

明日の放課後が、もう待ち遠しい。

帰り道、夕陽に伸びる二人の影が、ほんの少しだけ重なった気がした。


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