表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/25

第15話 曲がって止まる

旧準備室。

机の上には、昨日“曲がる”ことを覚えたロボットが置かれている。


「よし! 今日は“曲がって止まるロボット”を作る日だね!」


理人

「いや、曲がって止まるとは言ってない。

 “曲がって止まるかもしれないロボット”だよ」


「……止まる。たぶん」


「毒島くんの“たぶん”は希望」


理人

「いや、希望じゃなくて不安だよ」


蒼はロボットの車輪を触りながら言う。


「でもさ、昨日の“曲がった瞬間”めっちゃ感動したよね。

 なんか、ロボットが“意思”持ったみたいで」


理人

「いや、意思はないだろ。

 ただの差動制御だよ」


「……差動制御、好き」


「毒島くん、今日も安定してるね」


理人

「毒島は“好き”の種類が多すぎるだけだよ」


「そういえば今日の現代文の先生さ、

 “人生は曲がって止まることの繰り返しだ”って言ってたよね」


理人

「言ってたな。

 “止まらないやつは壁にぶつかる”って」


「……ロボット、ぶつかった」


「毒島くん、それは正しい」


理人はノートを開き、

複合制御の図を描き始める。


理人

「で、曲がって止まるには“タイミング”が大事。

 曲がる → 一定時間 → 止まる、って流れを作る」


「タイミングって……なんか音ゲーみたいだね」


「……コンボ」


「そう! コンボ!」


理人

「いや、コンボって言うなよ……

 でもまあ、間違ってない」


蒼はArduinoを手に取り、

プログラム画面を開く。


「じゃあ、右に曲がって……

 0.5秒後に止まる、って感じ?」


理人

「そう。

 `delay(500);` のあとに `analogWrite(left, 0);`

 `analogWrite(right, 0);` で止まる」


「……呪文、好き」


「毒島くん、呪文じゃないよ」


理人

「いや、呪文みたいなもんだろ」


蒼はふと、今日の授業を思い出す。


「そういえば今日の音楽の授業でさ、

 “止める勇気も音楽だ”って言ってたよね」


理人

「言ってたな。

 “止まるところが美しい”って」


「……ロボットも、美しく止まる」


「毒島くん、それは名言」


理人

「いや名言じゃないだろ」


「じゃあ、いよいよテストするよ?」


理人

「待て! 配線確認!」


「……昨日、倒れた」


「毒島くんの“昨日倒れた”は重い」


理人は慎重に配線を確認し、

深呼吸して言う。


理人

「……よし。

 久保田、スイッチ頼む」


「任せろ!」


カチッ。


ウィィィィィン……!


ロボットが前に進む。


「おおおお! 今日もまっすぐ!」


理人

「じゃあ、曲がるぞ。

 “右旋回コマンド”送る!」


カタッ。


ロボットは右に曲がり――


「止まれぇぇぇぇ!!」


理人

「停止コマンド送る!」


ピタッ。


ロボットは、

くるりと曲がったあと、

その場で静かに止まった。


「止まったぁぁぁぁぁ!!」


理人

「曲がって……止まった……!

 ちゃんと……止まった……!」


「……かわいい」


「毒島くん!?」


理人

「いや、でも気持ちはわかる。

 なんか“お手”した犬みたいだよな」


「ロボットの赤ちゃんだよ!」


「……赤ちゃん、賢くなった」


「うん、賢くなったね!」


理人はロボットを見つめながら言う。


理人

「……なんかさ。

 “進む・曲がる・止まる”ができると、

 急に“ロボット”って感じするよな」


「する!」


「……する」


「じゃあ次は“避ける”だね!」


理人

「いや、それが一番難しいんだよ!」


「……でも、やる」


「やろう!」


理人

「やるか……!」


三人の声が、

初めて“曲がって止まったロボット”の横で響いた。


その音は、

“次の挑戦”の始まりだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ