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オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


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14/25

第14話 曲がる

旧準備室。

机の上には、昨日“止まる”ことを覚えたロボットが置かれている。


蒼

「よし! 今日は“曲がるロボット”を作る日だね!」


理人

「いや、曲がるとは言ってない。

 “曲がるかもしれないロボット”だよ」


真

「……曲がる。たぶん」


蒼

「毒島くんの“たぶん”は希望」


理人

「いや、希望じゃなくて不安だよ」


蒼はロボットの車輪を触りながら言う。


蒼

「でもさ、昨日“止まった”のはすごかったよね。

 なんか、ロボットが“考えてる”みたいで」


理人

「いや、考えてないだろ。

 ただのデューティ比だよ」


真

「……デューティ比、好き」


蒼

「毒島くん、今日も安定してるね」


理人

「毒島は“好き”の種類が多すぎるだけだよ」


蒼

「そういえば今日の理科の先生さ、

 “人生は曲がり角の連続だ”って言ってたよね」


理人

「言ってたな。

 “曲がれないやつは成長しない”って」


真

「……ロボット、曲がる」


蒼

「毒島くん、それは正しい」


理人はノートを開き、

左右のモータ制御の図を描き始める。


理人

「で、曲がる方法は簡単。

 “片方の車輪を遅くする”か、

 “片方を逆回転させる”か」


蒼

「逆回転ってロボットにもあるんだ」


理人

「まあ、簡易的なやつだけどな。

 片方を逆にすると、その場で回転できる」


真

「……回転、好き」


蒼

「毒島くん、回転好きなの意外」


理人

「いや、意外じゃないだろ」


蒼はArduinoを手に取り、

プログラム画面を開く。


蒼

「じゃあ、右に曲がるときは……

 右の車輪を遅くして、左を速くする?」


理人

「そう。

 `analogWrite(left, 200);`

 `analogWrite(right, 80);`

 みたいな感じ」


真

「……呪文、好き」


蒼

「毒島くん、呪文じゃないよ」


理人

「いや、呪文みたいなもんだろ」


蒼はふと、今日の授業を思い出す。


蒼

「そういえば今日の英語の授業でさ、

 “Turn right”って習ったよね」


理人

「習ったな。

 先生が“人生もTurn rightだ”とか言ってた」


真

「……Turn right、好き」


蒼

「毒島くん、英語も好きなの?」


真

「……発音、かっこいい」


理人

「毒島の感性は独特だな……」


蒼

「じゃあ、いよいよテストするよ?」


理人

「待て! 配線確認!」


真

「……昨日、止まった」


蒼

「毒島くんの“昨日止まった”は重い」


理人は慎重に配線を確認し、

深呼吸して言う。


理人

「……よし。

 久保田、スイッチ頼む」


蒼

「任せろ!」


カチッ。


ウィィィィィン……!


ロボットが前に進む。


蒼

「おおおお! 今日もまっすぐ!」


理人

「じゃあ、曲がるぞ。

 “右旋回コマンド”送る!」


カタッ。


ロボットは――

くるり、と右に曲がった。


蒼

「曲がったぁぁぁぁぁ!!」


理人

「曲がった……!

 ちゃんと……曲がった……!」


真

「……かわいい」


蒼

「毒島くん!?」


理人

「いや、でも気持ちはわかる。

 なんか“しっぽ振ってる犬”みたいだよな」


蒼

「ロボットの赤ちゃんだよ!」


真

「……赤ちゃん、賢くなった」


蒼

「うん、賢くなったね!」


ロボットは右に曲がり、

そのまま机の脚に向かっていく。


蒼

「やばい! 止まれ止まれ止まれ!」


理人

「止まれって言って止まるわけないだろ!」


真

「……止まらないね」


ガンッ!


ロボットは机の脚にぶつかり、

横に倒れた。


蒼

「倒れたぁぁぁぁ!!」


理人

「いや、でも……

 “曲がった”んだよ。

 これは大進歩だろ」


真

「……曲がった。すごい」


蒼

「毒島くんの“すごい”は本当にすごい」


理人は倒れたロボットを起こしながら言う。


理人

「じゃあ、次は“曲がって止まる”だな。

 制御を組み合わせる必要がある」


蒼

「組み合わせって……なんかRPGみたいだね」


真

「……コンボ」


蒼

「そう! コンボ!」


理人

「いや、コンボって言うなよ……

 でもまあ、間違ってない」


蒼

「じゃあ次は“曲がって止まるロボット”を作ろう!」


理人

「やるか……!」


真

「……やる」


三人の声が、

倒れたロボットの横で響いた。


その音は、

“次の進化”の始まりだった。


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