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オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


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16/25

第16話 避ける

旧準備室。

机の上には、昨日“曲がって止まる”ことを覚えたロボットが置かれている。


蒼

「よし! 今日は“避けるロボット”を作る日だね!」


理人

「いや、避けるとは言ってない。

 “避けるかもしれないロボット”だよ」


真

「……避ける。たぶん」


蒼

「毒島くんの“たぶん”は希望」


理人

「いや、希望じゃなくて不安だよ」


蒼はロボットの前に、

ペットボトルを置く。


蒼

「これを“障害物”ってことにしよう」


理人

「いや、ペットボトルって……

 まあ、最初はそれでいいか」


真

「……敵」


蒼

「敵じゃないよ!」


理人はノートを開き、

超音波センサーの図を描き始める。


理人

「で、避けるには“距離を測る”必要がある。

 超音波センサーで前の物体までの距離を測って、

 近かったら曲がる」


蒼

「超音波って……イルカみたいだね」


真

「……イルカ、好き」


蒼

「毒島くん、今日も安定してるね」


理人

「毒島は“好き”の種類が多すぎるだけだよ」


蒼

「そういえば今日の生物の先生さ、

 “生き物は危険を避ける本能がある”って言ってたよね」


理人

「言ってたな。

 “避けられないやつは絶滅する”って」


真

「……ロボット、絶滅したくない」


蒼

「毒島くん、それは正しい」


理人はセンサーをロボットに取り付けながら言う。


理人

「じゃあ、プログラムはこう。

 距離が20cm以下なら“右に曲がる”。

 それ以外は“まっすぐ進む”」


蒼

「おお……なんか“AIっぽい”!」


真

「……AI、好き」


蒼

「毒島くん、AIも好きなの?」


真

「……かっこいい」


理人

「毒島の感性は独特だな……」


蒼はArduinoを接続し、

プログラムを書き込む。


蒼

「よし、準備完了!」


理人

「待て! 配線確認!」


真

「……昨日、止まった」


蒼

「毒島くんの“昨日止まった”は重い」


理人は慎重に配線を確認し、

深呼吸して言う。


理人

「……よし。

 久保田、スイッチ頼む」


蒼

「任せろ!」


カチッ。


ウィィィィィン……!


ロボットが前に進む。


蒼

「おおおお! 今日もまっすぐ!」


理人

「じゃあ、障害物に近づいたら――」


ロボットはペットボトルに近づき……


ピッ、ピッ。


くるり、と右に曲がった。


蒼

「避けたぁぁぁぁぁ!!」


理人

「避けた……!

 ちゃんと……避けた……!」


真

「……かわいい」


蒼

「毒島くん!?」


理人

「いや、でも気持ちはわかる。

 なんか“危険察知した子犬”みたいだよな」


蒼

「ロボットの赤ちゃんだよ!」


真

「……赤ちゃん、賢くなった」


蒼

「うん、賢くなったね!」


ロボットは避けたあと、

そのまま机の脚に向かっていく。


蒼

「やばい! 止まれ止まれ止まれ!」


理人

「止まれって言って止まるわけないだろ!」


真

「……止まらないね」


ガンッ!


ロボットは机の脚にぶつかり、

横に倒れた。


蒼

「倒れたぁぁぁぁ!!」


理人

「いや、でも……

 “避けた”んだよ。

 これは大進歩だろ」


真

「……避けた。すごい」


蒼

「毒島くんの“すごい”は本当にすごい」


理人は倒れたロボットを起こしながら言う。


理人

「じゃあ、次は“避けて止まる”だな。

 制御を組み合わせる必要がある」


蒼

「組み合わせって……なんか格ゲーみたいだね」


真

「……コンボ」


蒼

「そう! コンボ!」


理人

「いや、コンボって言うなよ……

 でもまあ、間違ってない」


蒼

「じゃあ次は“避けて止まるロボット”を作ろう!」


理人

「やるか……!」


真

「……やる」


三人の声が、

初めて“避けたロボット”の横で響いた。


その音は、

“次の進化”の始まりだった。


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