女王学園の冒険150
クオリアの力の過度な使用により、色味を失い灰色になったルビーの身体の一部が風化したみたいにボロボロと崩れ始めた。
先ず最初に左腕が崩れ始め、次に右足の踝が崩れた。
バランスを崩したルビーは尻もちをつくと、つまらなそうに溜息を吐いた。
「はぁ……調節をミスったわね、私とした事がオニキスのアホじゃあるまいに」
クオリアの力は強力だが、使い過ぎると一時的にだが身体を失うというリスクがある。
普段は意識して中身から消費する事で継戦能力を保つが、それでも中身が減ったぶん本体の脆弱性が増すし、今回の様に力を使い過ぎれば身体の欠損は免れない。
ルビー本人にそのつもりはなかったのが今足を失ってしまったのは手痛いミスだ。
完全に力尽きてしまった訳ではないが、これ以上の戦闘継続は難しそうだ。
「隙があればもう一撃くらい叩き込めるけど……まあ、それはアイツら次第ね」
そう呟くとルビーは座ったまま仲間達の方を注視した。
ルビーの一撃をなんとかしのぎ切った四人と二人は、そのまま戦闘を再開していた。
「ニレと恋でそのオッサンをなんとかして!私はエナさんをなんとかする!」
「誰がオッサンだガキィ!!…………おい待て?なんでエナは『さん』づけなんだ??」
エナが呆れた様子でツッコんだ。
「……日頃の行いと、あと第一印象が悪かったんじゃないですか?」
「不勉強なガキ共だぜ、吾輩の偉大さがまるで理解出来ていねぇ」
そこへメゾーレの鋭いミドルキックが襲い掛かるが、エナは足が伸びきったのを瞬時に見切って反撃に出ようとする。
その時、重い金属音と共にメゾーレの脚甲の踵の部分から先端が尖った太い棒が飛び出して来た。
「!!」
攻撃を見誤ったエナは回避が遅れてしまい、それでも急所はなんとか避けたものの、脇腹を抉られてしまう。
おまけに衝撃も凄まじく一緒に肋骨も何本か持っていかれてしまって、折れてしまった。
「油断、しましたか……」
「くっ……仕留め損なった、ドゥヴォワールの隠し玉だったのに……」
「しかしこの程度であれば問題はありません、戦闘続行可能です」
「思った以上にタフですわね、貴女……大人しく寝ててくれれば助かるのですけど」
メゾーレが呆れた様に溜息を吐くと、同時に脚甲から30cmはあろうかという巨大すぎる薬莢がゴロンと排出されて地面に落ちる。
脇腹を抉られているというのに平気そうな顔で立ち上がってくるエナが構える。




