女王学園の冒険148
ニレがキャスターを起動して大斧ダイヤモンド・スカッシャー取り出そうとするが、キャスターが起動しない。
「……アレ?」
「オイオイオイ!!まさかとは思うがお前等、ディメンション・チャフの効果も分からず使ったんじゃねえだろうな?」
ニレの行動を見ていたツェッペリンが呆れた様子で言った。
すぐに挙手したニレが聞き返した。
「はい博士!説明がほしいでーす!」
「良かろう!ディメンション・チャフの効果は『範囲内の空間制御を一定時間無効化する』だ」
「つまりどういうことだ……?」
恋には伝わらなかったようだ。
「……つまり敵の次元障壁を無効化出来る代わりに、こっちのサバイバーとキャスターも使えないって事!」
「あ、そういう事か!キャスターもサバイバーもさっきのバリアと仕組みが同じなのか!」
とはいえ、メゾーレはチャフ使用前に既に戦術脚甲ドゥヴォワールを装着済みだし、恋は拳と超能力で戦うのでキャスターは使わない、自身の発火能力を武器にするルビーもキャスター無しでも戦いに支障は無い。
マイはそもそも今回は戦闘に参加せず……ニレはここで重大な事実に気が付いた。
「あれ?これって私だけめっちゃ不利になってない?どうしよ??」
「アンタはもう……パワーでゴリ押すしかないでしょ」
「仕方ないなあ、そうするしかないかあ……」
そう言ってニレがえいっと体に力を入れると、一瞬で身体が一回り大きくなり、腕の太さと大きさが三倍位になった。
「じゃあいくぞォ!攻撃開始!」
ツェッペリンの号令がドクロマシンのスピーカーから響くと、スパルトイ達が一斉に動き出してメゾーレ達に襲い掛かる。
近接攻撃を仕掛けて来るスパルトイはともかく、一行が驚いたのは銃撃を行うスパルトイが居た事だった。
「銃!?あ、そうか!サバイバーも使えないんだった!」
素早く状況を判断したメゾーレが指示を飛ばす。
「皆散って!一か所に纏まってたら良い的になる!先ずは敵の数を減らしましょう!」
難しい判断だった。
敵の拠点の内部で総兵力が不明な以上、先ず敵を減らすというのはつまり数的不利を抱えたまま消耗戦を行うという事だ。
五人共キメラである為、多少の銃撃が命に関わる事は無いが、それでもこの数は不味い。
しかもディメンションチャフの効果時間内に決着を付けなければならないが、メゾーレには勝算があった。
「ルビー!私達の事は気にしなくて良いから、敵を焼き払って!!」
「はぁ!?私の事なめてんの???そんな事したらアンタ達も無事で済む訳ないでしょ!?」
「いいからやって!!……それともまさか、出来ないんじゃないでしょうね!?」
煽られたルビーの瞳が怪しく光った。
「良い度胸じゃない、気に入ったわ……もう後悔しても遅いから」
「もし失敗したらこれからアンタの事サウナって呼ぶから!思いっきりブチかましなさい!!」
ルビーは空中に浮かび上がると、自らの炎で成形した青い蝶の翅を展開した。
「いいわ!じゃあ『文字通り』目玉に焼き付けなさい!!これがクオリアの炎よ!!!」
「やっべぇマジか!!アイツここで全力ぶっぱする気かよ!?俺達を護れスパルトイ!」
スパルトイ達が攻撃を中断しエナとツェッペリンのドクロマシンの周囲を円陣を組んで囲った。
銃を持ったスパルトイがルビーを撃ち落とそうと銃弾の雨を浴びせる。
「温いッ!!!」
クオリアは本気で能力を使用した場合、自身の身体が砕ける仕組みになっている。
身体を砕いて本気で能力を使用する時、そのトリガーとしてクオリアはその身に宿した『力の名前』を叫ぶのだ!
「ルビィィィィ!!フレイムッッ!!!」




