女王学園の冒険139
「しねええええええええい!!!」
ルビーの掌から放たれた渾身の熱光線は、ニレが変身を解除して縮んだ事で外れてしまった。
「うあああああああああああ!!!」
ニレが元の姿に戻った事で拘束力が弱まり、ヴィラは再び恋の許へと駆け出した。
変身解除してしまったニレではヴィラを抑えきれず、逆にしがみつくのが精一杯といった形になった。
「しまったァ!」
「ほらぁ、アンタが命を惜しむから!」
「え!?あたしのせい!?」
ヴィラが目の前に迫っても恋は微動だにしない。
今まさに野太刀が振り下ろされようとしている事にすら気付けていない程の、一種のトランス状態になっていた。
「もらったァ!」
刃が振り下ろされるのと同時に閉じていた恋の目がカッと見開いた。
恋は斬撃を最小限のスウェーで躱すと、両手の平をリカに向かって突き出して叫んだ。
「バッド・トリップ・ナイトメアァー!!!」
四人の間に静寂が訪れる。
恋もニレもルビーもヴィラですら、誰も動かなかった。
(不発……??)
そう訝しんだ直後、ヴィラがひっくり返る様に突然その場に倒れ込んだ。
最初は仰向けに倒れたヴィラだったが、何かに反応するかのように身体をビクンと一回跳ねさせると、今度は無理やり地面に手をついて、うつ伏せから起き上がろうとする状態のまま固まっていた。
「ふぅ~……どうやら上手くいったみてーだな……」
恋が大きく息を吐くと両手を降ろした。
「…………一体どうなってんの?あとさっきのビミョーな技名は何??」
「技名は仕方ねーだろ、俺が考えたんじゃねーんだから!」
そうこう言ってる内に倒れているヴィラが激しい嘔吐を繰り返し始めた。
「ヴォエッ!!ガッ!カァッ!ブエアアアアア!エホッ!ウエェ!」
激しく苦しむその様子にルビーとニレはともかく、技を放った恋本人さえも引いていた。
「エッグい技ねえ~……どうなってんの一体?」
「えーと……確か、中毒症状と禁断症状を倍加させて同時発動させる技だって聞いてはいたんだが……こうなっちまうのかぁ」
「うわぁ、こんな技どこで覚えたのさ?」
そう聞かれた恋はバツの悪そうな、面倒くさそうな顔で頬をポリポリと掻いた。
別に夢の中で覚えた技だという事を隠そうと思った訳では無いが、説明しようとするとややこしい事になってしまう。
「あー……思いつき、だな」
「誤魔化すにしても、もっとマシな嘘つきなさいよ」
「いいよ別に、無理に聞こうとも思ってないし……とにかく助かったよ」
「お、おう」




