女王学園の冒険133
「ウフフ、まちなさーい♪」
「うおおおお!!テメーみてーなチビに追い付かれる俺様じゃあねええええんだよ!!」
「貴方も十分おチビちゃんよ~♪」
逃げるドールをやたら綺麗なフォームの走りで追いかけるマイ。
しかしそれでもわずかにドールの方がまだ速く、マイは追い付けていない。
もしかしたらスタミナの勝負に持ち込めば捕まえる事も可能かもしれないが、両者のスタミナにどれ程の差があるのか把握しきれていない現状ではリスクの大きい選択肢だし……それにそういった我慢比べの様なやり方はマイとルビーの好みとも合わない。
「マイには『敵に気にせず私ごとやっちゃって♪』とは言われたけど……ホントに大丈夫なのかしら?」
・・・
「私がアイツを追いかけるから、貴女はアイツの進行方向に火を飛ばしてね♪」
「それはいいけど……アイツに当てられるかわからないわよ?」
「命中させなくてもいいの♪」
「は?どういうこと?」
「つまりアイツに迂回させるように誘導して欲しいの♪」
「……それでどうしてアンタがアイツに追い付けるようになるの?」
確かにルビーの炎で敵を大回りさせる事は出来るかもしれないが、それではドールのすぐ後ろを追いかけているマイも同じく大回りさせてしまう事になるだろう。
「大丈夫、私は火を避けないから♪」
「ハァッ!?アンタ正気!?私の火はそんな温いモンじゃないのよ!?いくら再生能力があるからって過信しすぎじゃない!?」
「大丈夫、痛いのは慣れてるし♪」
「まぁ、アンタがそれで良いなら私は構わないわよ?燃え尽きて灰になっても恨まないでよね?」
「灰からでも再生するから大丈夫よ♪」
「アンタなら本当に蘇ってきそうでキモいわね……」
短い作戦会議を終えるとマイは「じゃ、よろしく~♪」なんて言いながら手をひらひら振ってルビーから離れていった。
「……変な子」
ルビーはこれまでの人生を思い出していた。
どんなに強いヒトでもモッドでも、ルビーの炎に焼かれた敵は火傷の痛みでのたうち回るのが常だった。
平時ならともかく本気で能力を行使している時のルビーは、その体から放たれる熱量で並の生命体では近寄る事すら出来ない。
「……フッ、上等よ!本当に私の炎に耐えられるってんなら、見せてもらおうじゃない!」
ルビーは炎で形成した蝶の翅を展開した。
黒い縁の青い翅に橙色の目玉模様が一つずつある。
鮮やかな極彩色この翅はクオリア・ルビーの飛行能力の向上、能力の連続使用を補助する言わば戦闘形態というものだ。
「さあ、いくわよ!」




