女王学園の冒険131
「ちょっと待っててくれな、今思い出すからさ……」
そう言ってヴィラは刀を仕舞うと、代わりに水筒を取り出して中身をぐいぐい飲み始めた。
隙だらけの姿を晒すヴィラの行動に困惑しつつも、ニレと恋はヴィラの動向を注視した。
「んっんっんっ…………ぷはぁ~~~~!キくわぁ~!」
ヴィラが水筒から口を離した所を、すかさずエナに尻をしばかれた。
本当は頭をシバきたいエナだったが、身長差があるのでエナからはリカの頭が遠いのだ。
「仕事中に飲酒するのは止めて下さい」
「いや、ちょっと気になる事があってさ……」
「だからって今飲酒する理由にはなりませんよ」
戦闘中に堂々と飲酒を始めていたという事実に驚愕するニレと恋。
「酒飲んでたの!?」
リカがしばかれた尻を気にも留めない様子で続けた。
「ストメアって名前、なんか聞いた事ある気がしてねぇ……」
「あぁ、それならドクターが前に暴走させた実験体の名前ですよ……えーと、三年前でしたか、記録を確認すれば直ぐにでも分かります」
「あぁ~思い出した!確か結構強かったよなぁ?アタシら三人がかりでも追い込むので精一杯で……どうせだから最後までヤリ合ってみたかったなぁ」
「そういうのは一人の時にやって下さい、あの時はアレが安全かつ最善手でした」
「あースッキリした、じゃ再開しようか!」
「待った!!」
待ったをかけたのは恋だった。
恋は携帯端末を取り出して操作すると、孤児院で撮影した写真を表示してリカ達の方へ向けた。
そして画像に写っている黒い服の女性を指差して言った。
「お前達が言ってるストメアって、もしかしてこのヒトの事か!?」
「…………」
エナとヴィラは写真を確認して頷いた。
「そうですね、間違いありません」
「おぉ良かったな、元気そうで」
「マジかよ……情報屋に頼んでもわからなかったスト姉の出生の秘密が、こんなことで明らかになっちまうとは……」
ストメアに関して何やら色々思う所があるのか、恋はひどく困惑している様子だった。
そんな恋を見兼ねてか、ヴィラが軽いストレッチで体を解しながら声を掛けた。
「そっちの事情は知らないけど、大丈夫かいアンタ??」
「あぁ、ちょっと驚いただけだ……問題はねぇ!」
緊張感に欠ける決戦が再開しようとしている……!




