女王学園の冒険129
「……ドクターは基本的にヒトの話を聞かないですからね。もう少しヒトの意見に耳を傾けてもらえれば、私達もやりやすいのですが」
あくまで平坦な物言いのエナにメゾーレは毒気を抜かれてしまい、ため息を吐いた。
「……はぁ、じゃあその試験とやらを始める前に、もうひとつ聞かせて頂戴」
「どうぞ」
「私達の街にこんな事を仕掛けた目的は一体何?」
それはこの事件が始まる前から、スゥがジュラルバームでツェッペリン達の姿を発見した時から、今の今までずーっと謎だった部分だ。
もしかしたら今回の事件の根幹に関わる問題かも知れない。
「ああ、それなら……」
エナが先程と変わらない平坦な口調で話した内容はメゾーレにとって驚くべきものだったのだ。
「一言で言えば実験……ですかね」
「……実験??」
「ええ、ダンジョンコアの起動実験です。そしてコアによって生成されたダンジョンを踏破し、自力でここまで辿り着き、そしてコアの破壊を行えるかという……現行の人類に対するダンジョンコアのレベルデザインの試験です」
「その実験場として学園都市が選ばれた理由は……?」
「私見ですが、その部分に特に理由は無いように感じますね」
それなりに何か悪企みでも暴露されるんじゃないかと身構えていたメゾーレは唖然としてしまった。
「…………もしかして、実験出来れば別にどこでも良かったってコト???」
「これも私見ですが、他の地域でも今回の実験は問題なく行えると思います」
エナの隣に居た小柄な少女がぼそりと付け加えた。
「試験だけに私見……ってか??」
それを聞いた大柄な女が豪快に笑う。
「アッハッハ!しょーもないねぇ!」
メゾーレはキレた。
「じょーーーーーーーーーーーーだんじゃないわよ!そんなクソ適当な理由で私達の街を滅茶苦茶にされてたまるもんですか!!どこでも良かったなら他所でやんなさいよ!!!」
「そうですね、ドクターが私達の意見を聞いてくれれば良かったのですが……ホント、ヒトの話を聞かないんですよ、あの人は」
「もういいわ!試験でも何でも良いわ!こんな下らない事!!とっとと初めて、とっとと終わらせるわよ!!!」
「では、試験開始ですね」
『試験』という名の戦いが始まる。




