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ハジマリノヒ  作者: うぐいす
女王学園の冒険
321/327

女王学園の冒険51

 スゥ・サイドセル逮捕作戦の最終防衛ラインにはメゾーレ・ジュラルバームの他に、それぞれ特徴的な全身鎧を着込んだ騎士が四人、控えていた。

彼等こそは騎士団の中でも精鋭揃いであるジュラルバーム家直属の近衛騎士団、その中でも更に選りすぐりの隊長達だ。

彼等もまたメゾーレと同じく、注意深く敵であるスゥを観察していた。

最初に口を開いたのは、蝙蝠をモチーフにした漆黒の鎧を纏った長身の男だった。

彼の名は吸血騎ヴァンパイアナイト。

近衛騎士団員は皆、鎧で顔を、二つ名で本名を隠している。


「小生からちょっとした提案があるのですが……ここは一つ、誰が星を仕留めるか賭けてみる……というのは如何ですかな?」


 吸血騎の方を横目でちらりと見て、鼻を鳴らしたのは中肉中背で狼をモチーフにした真紅の鎧に身を包んだ血騎レッドウルフ。


「……下らん、貴様は先ず職務を全うする事を考えたらどうだ?出来るのならば、な」

「おやおや、これは失礼……ちょっとした余興のつもりでしたが、血騎殿は臆病風に吹かれてしまったようで」

「……なんだと?お前から食いちぎってやろうか蝙蝠野郎?」


 二人の間に剣呑な空気が流れ始めたのを感じて、ずんぐりした赤銅色の鎧の土竜騎士スコップナイトが制止した。


「その辺にせんか二人共、仕事中じゃぞ……ま、わしは乗るがね。そんで何賭けるんじゃ?」


 最後にぼそりと呟くのは夢幻騎士ビキニアーマー先輩。

何故恥ずかしげも無くビキニアーマーなのか、そして何故先輩と呼ばれているのか、それを知る者は近衛騎士団にも存在しないという、謎多き人物である。

しかし能力は高く、職務にも忠実である為、皆に一目置かれている。


「……焼き肉がいいな」

「ファッファッファッ!そいつはいい!!」

「肉は悪くないが……蝙蝠野郎と一緒に飯を食うのは御免被る」

「焼き肉は服に匂いが付くのがどうも……ステーキなら大好きなんですがねぇ」


メゾーレは虚空を見つめながら思った。


(あわねー!あわねーですわ!なんなの、このヒト達のノリ!……大体このビキニアーマー先輩って誰よ!?というか一体何!?)


 ビキニアーマー先輩はともかく、今がシリアス状況である事もまた確か……今は軍団の指揮者として毅然としなければ。

事実として精鋭の近衛騎士団員達を相手にしても、スゥはじりじりとこの門へと迫ってきている。

優勢ではあるが、とても楽観視出来る状況では無い。


「総員迎撃用意!敵の生死は問いません、存分に暴れなさい!」

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